2018年01月20日
「人は見た目じゃない」は本当なのか・・・

アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士は、人が他人から受け取る情報の割合に対して、「顔の表情55%」、「声の質(高低)、大きさ、テンポ 38%」、「話す言葉の内容 7%」という興味深い実験結果を発表しています。
つまり、この実験結果からすると「話す言葉の内容」は7%に過ぎず、9割以上は顔の表情や声の質に関わることなのだそうです。当然、この「表情」には、「身だしなみ」や「しぐさ」など、顔以外の身体全体から感じ取る表情もあると思いますが、言葉から得られる情報が実際にはごくわずかということになります。
心理学の世界では、対人関係において言葉以外の情報に対する研究も古くからおこなわれているようで、この言葉以外のコミュニケーションのことを「ノンバーバル(非言語)・コミュニケーション」と呼んでいるのです。
「人」同士の情報伝達手段も、時代や情報機器など様々な社会環境によって変化しています。「固定電話」から「携帯電話」に、更に「メール」やLINEなどの無料通話アプリなど激しい変化を遂げています。
しかし、その一方で、IT機器を利用した「言語だけの情報」のやり取りで、誤解や勘違いなど、「嫌な思いをしたり」、ひょっとする「させたり」・・・というような経験を持っている人も少なくないのではないのでしょうか。
たしかに、リアルの対面での会話では、顔の表情や声の表情が分かるので、同じ言葉のは配列を聞いていても多くのことが伝わるために誤解や勘違いは少ないように思います。
日本で、発達したと言われる絵文字なども、文字に表情の要素を加えることで伝えようとすることに対してより多くの情報を伝達する手段として考えれば、時代に合わせた正常進化の形の一つなのかもしれません。
こうして改めて考えたときに、言語以外のコミュニケーションの重要さは改めて考え直さなくてはならないということが分かってきます。
しかしながら、学校教育も含めて、「言語」をコミュニケーションの一番重要な手段として、学んできた事も事実かと思います。
「怒らないから、ちゃんと云いなさい・・・」この文章を、どんな顔の表情で、どんな、声のトーンでいうかでは、相手には伝わり方が全く違うのは多くの方は解ると思います。
その一方で、このフレーズは「使った覚え・・・」もしくは、「良くいわれた覚え・・・」のある方が多い言葉であるはずです。
また、最近はスマートフォンが普及してきたので、少なくはなりましたが、「カメラをシャッターを切ってもらうように頼まれる」とか「よく道を尋ねられる」という方が、周りにもいると思います。
当然、もともと知っている人でなない関係性の中で、その人を選ぶ・・・というわけですから、その人には「頼まれる要素」を持っているということになります。
その要素は何か・・・?と考えた場合、ノンバーバル・コミュニケーションの考え方からすれば、全体の55%を占める「表情」ということになりそうです。
表情はある意味、感情を映し出す鏡です。声のトーンと言いましたが、声にも「表情」という言葉を使います。
こうして考えれば、私たちが「人の見た目」として意識しているのは、その人の容姿や服装でななく、人を受け入れる「表情」「仕草」「身だしなみ」のことなのかもしれません
「表情」「仕草」「身だしなみ」が人に与える印象としての情報量が9割以上になるという事実があるのであれば、「どのように見えるか・・・」を意識することは、「もっとも重要な事・・・」になるのかもしれません。
「あの人は、人を寄せ付けない雰囲気がある・・・」ということも、「見た目」につながる「表情」「仕草」「身だしなみ」を意識することで変えられるのであれば、人の「見た目」は非常に大切なこと・・・になるのだと思います
Posted by toyohiko at 11:54│Comments(0)
│社会を考える