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2025年02月28日

プロバイオティクスは、お腹の中でどうなっているのか




 健康の維持増進のために、「腸活」と積極的に取り入れるという方も多いのではないかと思います。その中でも、よく耳にするのが乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスや、腸内細菌のエサと言われるプレバイオティクスの活用です。

 その中でも、プロバイオティクスの継続的な利用については、多くの方が実践しているかと思いますが、「生きて腸まで届く・・・」というような、表現についても、疑似胃酸や疑似胆汁酸の中での生存の確認であったり、便中に摂取したプロバイオティクスが遺伝子的に確認できるかということが中心で、それぞれの消化器官の中での細菌叢の分布や代謝に関わる状況についての調査報告はほとんど行われていないのが現状です。

 そのような中、内視鏡を用いたプロバイオティクスの腸管内での状態についての調査研究が弘前大学の珍田大輔准教授らとヤクルト中央研究所の共同研究によって行われた事例をご紹介させていただきます。

 この事例においては、健康成人男性7名を対象にラクトバチルスパラカゼイ・シロタ株を400億以上含む発酵乳 と、ビフィドバクテリウムブレーベ・ヤクルト株 120億個以上を含む発酵乳の2種類のプロバイオティクスを含んだ飲料を飲んでいただき、小腸の一部である小腸から大腸に繋がる回腸と言われる消化管内の腸液を回収し分析するという方法によって行われました。

 この二つのプロバイオティクスについては、ラクトバチルスパラカゼイ・シロタ株が酸素があってもなくても増殖できる通気嫌気性菌であることに対して、ビフィズス菌は偏性嫌気性菌で酸素を嫌う性質であることということで消化管内での分布状況は異なるとされていますので、それぞれのプロバイオティクスの単独飲用のケースと同時飲用との3つの事例についての検証を行っています。

 調査の結果、乳酸菌に分類されるラクトバチルスパラカゼイ・シロタ株400億個以上を摂取したケースでは、回腸末端部の回腸液中で、摂取したプロバイオティクスが最大で9割と超える高い占有率であったことと同時に、この占有率が数時間維持されていたという結果となりました。

 また、ビフィドバクテリウムブレーベ・ヤクルト株120億個以上摂取した場合についての回腸液中の占有率も、ラクトバチルスパラカゼイ・シロタ株を摂取したときほどの高水準では無かったものの6割から高い被験者で9割となり、さらに同時飲用のケースでは、占有率としての高水準と維持しただけでなく、わずかではあるものの残存生菌数の双方のプロバイオティクスにおいて単独時に対する向上が認められたのです。

 プロバイオティクス株の摂取量に対する回腸末端での生残率の平均はいずれも8%程度という結果ではありましたが、生菌数として10億個以上の菌体が回腸末端まで到達したことが明らかにされたのです。

 今回実験に利用した二種類のプロバイオティクスに限ってということにはなりますが、摂取後の回腸内での高い占有率が一定の時間維持されるということが解明されたということで、様々な常在菌が存在する環境において経口摂取したプロバイオティクスが回腸末端まで到達し、宿主細胞を継続的に刺激する可能性が示されたということになります。

 特に回腸は、小腸の一部で、空腸に続いて大腸に続く部分になりますが、胃や十二指腸で消化された食べ物をさらに分解し、栄養素を吸収するという身体にとっても重要な働きをする器官とされています。
 
 さらに消化吸収だけでなく、回腸下部にはパイエル板と呼ばれる病原体や有害物質を撃退する役割を担っている免疫器官も多数存在していることからすれば、摂取したプロバイオティクスによる継続的な刺激が健康の維持増進に大きな役割を果たすことについての、裏づけのひとつになるのかもしれません。

  


2025年01月24日

「我が家の味」と腸内フローラ



 皆さんには、「我が家の味」とか「おふくろの味」というものがありますでしょうか・・・?

 小さい時から食べ慣れた味というものは、どことなく安心感につながるものです。例えば、和食の代表的な献立の一つである、味噌汁やお雑煮などはその代表的なものではないかと思います。
 かつては味噌汁の違いや、お雑煮の違いで喧嘩になった・・・などという話も度々耳にするようなことあるくらいです。

 この話は、一見食文化のようの話題のように見えますが、別の見方も出来るというのです。

 「食べたものは、実は腸内細菌によってきめられている・・・」というような話を聞いたことがあるかたもいるかと思いますが、この食文化の礎を担っているのが腸内フローラの可能性があるというのです。

 ヒトを含めた多くの哺乳類の腸内フローラは、食糞や分娩時の直接的な伝播や免疫システムにも関わると言われている遺伝子情報を基にした設計図のようなもの、さらに食事の内容の3つの要素によって大きく作用すると考えられています。

 そのように考えた場合に、ヒトであれば3歳までにその人固有の腸内フローラが出来上がるということも含めて、その時の食事の影響は少なくないと考えることが出来ます。

 ご存知のように、腸内細菌もエサとなるものの多い少ないという状況によって、構成される菌株の割合が変化していきます。そのエサの元になるのは、当然のことながら食事から摂る様々な栄養素になりますので、腸内フローラも当然のように影響を受けるということになります。

 慶應義塾幼稚舎と横浜初等部で食育教育に取り組んでいます医師の菅沼安嬉子氏によりますと、「3歳くらいから子どもはいろいろなものを食べ始めるので、『我が家の味』というものを一品で良いので作ってみてください。人間には『これを食べると癒される』という味があるようです」とその人にとっての懐かしく、忘れられない味の重要性に触れています。

 更に、「我が家の味」は反抗期の癒し飯にも・・・というように、腸と心の安定についても、「思春期になるとホルモンが嵐のように体内に出てきて脳がパニックを起こします。本人もどうしていいかわからない状態になり、時には親に暴言を吐きますが、それは本人ではなくてホルモンが言わせているので本気にしてはいけません。そんな時は『我が家の味』を作って黙って出してあげることで穏やかになることもあります」とも述べています。

 更に、食べるだけでなく、食事をつくることの大切さについても、「奥さんに先立たれた時、残された男性はすぐに亡くなる方が多いですが、自分で料理を作れる人は大丈夫です。・・・」と、高齢になった時の幸福度に大きな影響を与えることにも言及しています。

 そして、「小さい頃に作った経験があると、しばらくブランクがあってもいざとなったらできるもので、子どもの頃の食育はとても大事です」とし、「働きながらの育児は忙しく大変だが、1週間に一度で良いので手作りに挑戦してほしい。」と、子どもの頃からのバランスのとれた食事の重要性について、将来の生活習慣病やがん予防との関係性についても述べています。

 ご自身の腸内フローラと大きく関係している「我が家の味」、そして、その味を自らつくることが出来ることが、長い意味での幸福度につながる・・・というような考え方も、大切ですが、一方で、「・・・しなければ」にとらわれ過ぎず、経験する、体感する場面が増えていく事で「やったことないから・・・」にならないことを大切に出来るというような軽い受け止めかたをすることで、意識し続けることが出来るのではないでしょうか。

 勿論、小さい時からいつも飲んでいた飲み物や、よく連れて行ってもらったご飯屋さん・・・のように必ずしもつくってもらったものでないものが「我が家の味」であってもいいと思います。

 こうした、「我が家の味」というような味の記憶は、単なる記憶ではなく・・・腸内フローラにとっても心地いいエサの供給源になっていることで、脳腸相関を通じて心の安定につながっていることの可能性も意識していくことをしてみたらいかがでしょうか。


  


2024年11月08日

プロバイオティクスを活用した治療について考える(Ⅰ)




 手術が必要と言われるような治療や救急搬送されてくるような治療が必要となる重症と言われるような状態では、怪我や病気そのもののみならず、それに関連してくる様々な感染症のリスクが上がってくるために、感染症の予防として本来の処置だけでなく様々な対策が取れられてきました。

 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センターの清水 健太郎氏によれば、従来は手術後の感染症の対策として、抗生剤の投与という処置が当たり前のように行われていた状況もその内容が大きく変化しているとしています。

 手術のみならず、身体に大きなダメージを受けるという場面においては、感染源となる微生物やウィルスの侵襲により免疫システムに大きな負担がかかります。
 免疫システムに大きな負荷が掛かるということは、そのシステムの大部分を抱えている腸管を含めた消化管内やそこに関わる腸内細菌叢と呼ばれる共生微生物にも影響を及ぼすことが近年の研究で解ってきています。

 実際に多くの症例で、重症患者の腸内細菌叢において善玉菌と言われるようなラクトバチルス属やビフィドバクテリウム属などの偏性嫌気性菌に分類される細菌類の顕著な減少や、それらの微生物が産生する短鎖脂肪酸の減少が多くの事例で確認されていることからも身体に対する大きなダメージと腸内細菌叢のディスバイオーシスと言われるような状態との関係性が指摘されています。

 このディスバイオーシスと言われる腸内細菌叢の均衡が崩壊している状態は、「有益な微生物の減少」、「病原性細菌の増加」「腸内細菌叢の多様性の低下」の3つの状況によるものと定義されており、記憶に新しいところでは、新型コロナウィルス感染症の重症患者では早期からディスバイオーシスの進行が指摘されていたという報告もあるようです。

 更に近年の研究では、術後などの強度に身体に負担がかかった状態での感染合併症と腸内細菌ととの関連をみていくと、健常腸内細菌叢の大部分を示す偏性嫌気性菌数と病原菌である大腸菌や緑膿菌などの通性嫌気性菌数が最も関連していることにも注目が集まっています。
 
腸内細菌叢のディスバイオーシスは術後の予後と相関があることが他分野でも報告されており、重症患者においてもバクテロイディス門とファーミキューティス門の比率が予後の状態と相関することが報告されており、抗菌薬で病原菌を減らすことだけでなく、プロバイオティクスやプレバイオティクスなどを用いた腸内細菌叢を保つ治療の妥当性を示唆するような流れになりつつあるようです。

 術後や事故などによる侵襲に対しては、プロバイオティクス治療という発想が無かった頃には、腸管内除菌が主流であり病原細菌を中心とした細菌を減らすことで処置をしていましたが、近年では腸内細菌叢のディスバイオーシスの予防に関しても多くの臨床研究がなされています。

 2002年には、Rayesらが肝移植の術前にシンバイオティクスを経腸栄養と共に投与することで、術後の感染合併症の比較をしたところ、腸管内除菌群が48%に対して, シンバイオティクスが13%と有意に減少したという報告をしています。
 
また、2005年にも、名古屋大学での臨床研究で101人の胆管がん患者を対象に、術前にビフィドバクテリウム・ブレーベとラクトバチルスカゼイ・シロタ株を飲料として術前に2週間摂取したところ, 感染合併症が対照群 30.0%に対して、投与群が12.1%と有意に低かったというような同様の報告もあります。

 さらに、プロバイオティクスやプレバイオティクスを同時に投与するシンバイオティクスの術前投与の臨床研究が多く発表されていますが、安全性の面でも2020年にAnnals of Surgeryに発表された2723人を対象としたメタアナリスでは、プロバイオティクスとシンバイオティクスともに術後感染症を減少させかつ安全であるとの報告もなされています。

 これらの結果の影響もあり、事故による大怪我や術後の侵襲が大きい状態では、腸管内除菌よりも常在菌を増やす方が感染合併症を予防する効果があるとの認識も広まりつつあるのです。

 プロバイオティクスやプレバイオティクスを利用した常在菌の安定が、非常時の身体に対する負荷について、感染症などのリスクを軽減することも明らかになりつつあるようですが、事故や手術が必要な状況は、突然に訪れることが殆どです。

 そのためにも、日頃からの腸内細菌叢を意識した腸活は、「病気になる前に、病気にならない・・・」だけでなく、「病気になる前に、病気になった時に重症化しないために・・・」という、予防医学のための生活習慣のひとつにもなるのだと思います。


  


2024年11月01日

腸内細菌は身体に悪い物質もつくってしまうのか?




 近年の研究で、腸内細菌のつくり出す短鎖脂肪酸などの物質が宿主であるヒトの健康の維持増進に大きく寄与していることは、広く知られるようになりつつあります。

 また、短鎖脂肪酸のみならず、ビタミン類など代謝物として様々なものがあると考えられており腸内環境を整えることによる健康効果に期待が高まっています。

 そのような中、トランス脂肪酸の一つであるエライジン酸を産生する腸内細菌が存在することが解ってきたというのです。
 トランス脂肪酸は、LDL-コレステロールを増やし、HDL-コレステロールを減らす働きがあり、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患などの病気のリスクを高める可能性があることで知られています。

 理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チーム 大野 博司氏らの研究によれば、肥満・高血糖を悪化させる可能性のある腸内細菌の一つとしてファーミキューテス門のFusimonas Intestini(FI)菌に着目し、マウスによる実験と併せて、肥満・糖尿病患者と健常者のそれぞれ34人の糞便中に含まれる腸内細菌の解析に関する報告をしています。

 マウスによる実験では、腸内に大腸菌のみ定着させたマウスの餌にFI菌を添加して腸に定着させた場合と大腸菌のみの場合とでの比較試験を行った結果、FI菌が定着しているマウスの場合には、通常食では、体重や脂肪量に変化が見られなかったのに対して、高脂肪食を与えた場合には、体重と脂肪量が増加したのみならず、血中コレステロール濃度が上昇しただけでなく、トランス脂肪酸の一つであるエライジン酸の上昇がみられたというのです。

 この実験によれば、FI菌と高脂肪食という組み合わせによって、エライジン酸が産生されている可能性が示唆されたということになります。言い換えれば、FI菌は高脂肪食を摂取し、トランス脂肪酸を代謝しているということです。

 さらに蛍光標識された多糖類(デキストラン)を経口投与し、その血中濃度を測定することで、どれだけ腸管から吸収されたかを調べたところ、大腸菌のみを定着させたマウスと比較して、大腸菌に加えてFI菌を定着させたマウスでは、腸管バリア機能が低下しているということが明らかになりました。

 すなわち、FI菌によって産生されたエライジン酸がリーキーガットの状態を引き起こし、エライジン酸そのものも含めた様々な物質が腸から体内に漏れている可能性が示唆されたということになります。

 また、肥満・糖尿病患者と健常者のそれぞれ34人の糞便中に含まれる腸内細菌を解析したところ、FI菌を保菌している人の割合が肥満・糖尿病患者では、健常者の2倍ほど高いという報告もあり、ヒトにおいてもFI菌の定着によるリスクの上昇が示唆されています。

 肥満は慢性炎症の状態であるという指摘は、以前からありますが、その多くはリーキーガットによる様々な物質の腸管からの体内への流出が大きく関係している可能性も指摘されています。

 従来、トランス脂肪酸は摂取することのみで健康に対して影響を及ぼすと考えられていましたが、腸内細菌が産生することで同様の状況が起きてしまう可能性が明らかになったことは、大きな驚きともいえます。

 今回のように、腸内細菌はさまざまな代謝物を産生しますが、その中には、肥満や炎症などを引き起こす脂肪酸を産生し健康のリスクを高める場合があることも明らかになりました

 ただ、いかなる腸内細菌も摂取すべき物質があり、始めて代謝物につながるということからすれば、あらかじめ解っている特定の腸内細菌の大好物をなるべく抑えることで、その影響力をコントロールしていくという考え方は、従来の腸活の考え方にもつながります。

 FI菌の場合は、高脂肪食との相性が良いということであれば、食習慣の中で高脂肪食をコントロールすることで勢力図を変えることは不可能ではないのかもしれません。

 但し、食の嗜好は腸内細菌にもコントロールされていますので、ひょっとすると「強い意志」も必要なのかもしれませんが・・・。



  


2024年10月18日

腸内環境は何故悪くなってしまうのか・・・?




 腸内フローラという言葉が、あちらこちらで聞かれるようになり腸内細菌の重要性が注目されつつあります。

 その理由の一つとして、ヒトは食べたものを全て消化・吸収できないためにそのお手伝いをしてもらっているからです。本来、消化・吸収できないものを共生微生物である様々な腸内細菌が消化吸収してくれるだけでなく、自身の健康の維持増進のために必要な成分をつくり出してくれるという役割をしていることが近年の研究で次第に明らかになってきました。

 そのような中、解ってきたことが遺伝子レベルでは、2.2万個と言われているヒトの遺伝子の数に対して、腸内に存在する共生微生物の遺伝子の数を合計すると約2,000万個と千倍近い量があることからもヒトの健康維持に対して大きな影響を及ぼしていることが推察されるということです。

 また、腸内環境と呼ばれる、様々な腸内細菌によって構成されるその状況は、ありとあらゆるきっかけによって変化するとされています。
 
 まずは、食事の内容です。腸内細菌も生きていますので当然のように、栄養を摂取する必要があります。そして、善玉菌と呼ばれるグループと悪玉菌と呼ばれるグループでは摂取する栄養素は異なりますので、宿主であるヒトの食事の内容に大きく左右されます。
 近年では、宿主である食の嗜好が腸内環境に影響を与えるのではなく、腸内環境と呼ばれる腸内細菌の構成によって食の嗜好が左右されるという話すらあるようです。

 次は、加齢による影響です。よく知られているのは、善玉菌の代表選手であるビフィズス菌は授乳期をピークに加齢とともに低下していく事が知られています。

 その他にも、腸内環境と呼ばれる腸内細菌同士の勢力争いは、あらゆる刺激によって変化すると言われています。
 例えばストレスについても、それによって分泌されるホルモンや神経伝達物質などの相互作用によって腸内環境が変化することも解ってきています。

 そのような中、食事、や精神的ストレスなどの生活習慣や加齢以上に大きな影響を与えるのが治療薬であることが、多くの研究によって明らかになりつつあるようです。

 ある研究によれば、食事や運動などの生活習慣よりも3倍にも上る影響があるという結果もあります。

 さらに、炎症性腸疾患、HIV感染、糖尿病、うつ病、慢性肝炎などの疾患による影響を越えるとすら言われ始めている様なのです。

 東京大学大学院総合文化研究科の坪井貴司教授は、著書「腸と脳」の科学の中で、あらゆる治療薬がある中で、「消化器疾患治療薬、糖尿病治療薬、抗菌剤、抗血栓薬、循環器疾患治療薬、脳神経疾患治療薬、抗がん剤の順で、腸内マイクロバイオータの組成に影響を与えている・・・」と述べています。

 そして、消化器疾患治療薬の中では、飲みすぎや食べすぎによって胃が痛いときに飲む胃薬やタンパク質の摂取が困難な場合に腸から投与する輸液、そして肝機能が低下して脂肪の吸収力が低下している時や胆石を溶解させるための胆汁促進剤の影響が高いことがわかってきたというのです。

 さらに、多剤と呼ばれる複数の治療薬を処方されているケースについては更に大きな影響があるとしています。つまり、同時に投与された薬剤の数が増加すればするほど、酪酸や酢酸といった短鎖脂肪酸を産生する菌種が減少するというような報告があると同時に、投与する薬剤の数を減らすことで、腸内マイクロバイオータへの影響も減らし、腸内環境を改善できることも明らかになりつつあるようです。

 腸内環境と言っても、なかなか可視化できるようなものではないと思う方も多いと思いますが、毎日の色や臭い、量や形を意識することで多くの情報が得られることを改めて理解しておく必要があると思います。

 例えば、便の色は胆汁酸が腸内環境によって色が変わることで決まるリトマス試験紙のようなものだと言われており、酸性に傾くほど黄色みが強くなり、アルカリ性に傾くというほど茶色みが増し、黒褐色になるという性質があります。
 
 「便は、身体のお便り・・・」というように、毎日同じ色や形の便が出てくることはありません・・・。

 その時々のコンディションをつぶさに確認できる、大切な情報源であるという意識をもって、なるべく薬を飲まなくても済むような生活習慣の改善から始めることが健腸長寿に繋がるための一つになるのかもしれませんね。

  


2024年08月23日

プロバイオティクスの新たな可能性について考える



 イギリスの微生物学者であるフラーによって提唱された、ヒトに有益な作用をもたらす微生物であるプロバイオティクスは、いまや多くの皆様方にとってなじみの深い存在になりつつあり、多くの食品やペットフードに至るまで様々なところで関連する商品を目にするようになっているのが現状です。

 プロバイオティクスといっても、その健康効果については対象となる微生物によって様々です。

 その中でも、もっとも一般的と言われているのが「お腹の健康」と言われる、腸内腐敗の抑制、腸管の蠕動運動の促進、通称悪玉菌と言われるヒトに対する有益でない微生物の抑制などの腸内環境の改善です。

 その一方で、昔から馴染みの深いプロバイオティクスでもヒトに対する新たな健康効果が研究によって明らかにされるというケースもあります。

 その代表的な事例が、ラクトバチルスパラカゼイ・シロタ株の健康効果です。

 このプロバイオティクスについては、1930年の強化培養成功以来、生きたまま腸内に到達することで、良い菌を増やし悪い菌を減らして、腸内の環境を改善し、おなかの調子を整えるという効果があるということでしたが、研究が進むにつれて、ストレスの軽減、睡眠の質の向上というようなメンタルヘルスに関わるような領域についても健康効果が示されています。

 この事例のように、新たなプロバイオティクスによって新たな健康効果が提供されるだけではなく、既に馴染みのあるプロバイオティクスに於いても新たなる研究成果として、従来とは異なる領域で健康効果が認められることがあるということです。

 先ほど紹介させていただきました、ラクトバチルスパラカゼイ・シロタ株については、さらなる研究領域として、NK 細胞活性の維持やIgAの維持などの免疫システムに影響を及ぼすことや、上気道感染症の症状の軽減に有効であることが、既に研究で明らかになっています。 しかしながら、臨床段階において、当該プロバイオティクスの摂取が、免疫実行細胞に指示するマネジメント細胞 (単球やマクロファージ、樹状細胞など) に及ぼす影響やその機序については未解明の部分があるという段階のようです。

 そのような中、健常な日本人男性オフィスワーカーを対象とし、ラクトバチルスパラカゼイ・シロタ株を1000億個以上含む乳酸菌飲料を使用した無作為化二重盲検比較試験を用いて、採取したヒト末梢血単核細胞 (PBMCs) に含まれる免疫マネジメント細胞に及ぼす影響を解析するという研究も行われています。

 この研究において、宿主の自然免疫系と獲得免疫系に影響を与える可能性が示されており、宿主の全身の免疫機構に働きかけて、健常人の健康維持に寄与すると考えられており、今後、宿主の体調との関係性について検討を進めていくというような事例もあるようです。

 このように、プロバイオティクスと言われる微生物に関わる分野においては、様々な研究が進むにつれて、私たちにとって欠かせない共生微生物としての役割が解明されるとともに一人でも多くの人たちの健康に寄与する可能性も更に大きくなりつつあるのです。



  


2024年08月16日

夏場の水分補給を考える



 連日の猛暑が続く中、「熱中症対策」という言葉が毎日のようにあちらこちらから聞こえてきます。

 その熱中症対策に一番の効果的な方法は、言うまでもなく水分補給です。

 そもそも、汗は暑い熱いから出てくるということなのですが、暑さで体温に影響を及ぼさないように、体内の水分を利用し、その気化熱を利用して身体を冷やすための仕組です。

 そのため、体内の水分を消費して枯渇しないように水分を補給する必要があるのです。

 当然、口から入った水分がすぐさま吸収されて、汗となるわけではありませんので、「喉が渇いてからでは、遅い・・・」というような、水分補給のタイミングについても理解できるとおもいます。

 そこで便利なものとして登場したのが、「吸収が良い・・・」飲料と言われる、スポーツドリンクです。とはいえ、清涼飲料をはじめ様々な飲料がコンビニエンスストアなどで手軽に入ることや、機能性表示食品や健康保険効果が認められるものも多くなってきましたので、水分補給だけでなく、・・・どうせなら、美味しい方が・・・とか、こんな効果が欲しいということで様々な理由で飲料を選択しているということが現実です。

 そこで、問題になって来ているのが、「ペットボトル症候群」と言われる、水分補給時での糖分などの過剰摂取による身体の不調です。

 この「ペットボトル症候群」は、砂糖が入ったペットボトル入りの飲料を多飲することで、糖尿病の自覚のない人にも関わらず、糖尿病の症状のひとつである、「喉の渇き」という症状に対する造語で、医学的には清涼飲料水ケトーシスと言われています。

 WHO(世界保健機関)は、成人がとる1日の糖分摂取量を25g、角砂糖ではおよそ8個分と推奨しています。その摂取量を継続的に超えてしまうことで、身体に変調が起きてしまいます。
 その典型的な事例が「喉の渇き」です。その状態で更に糖分の入った飲料を摂取してしまうことで、更に血糖値が上がってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

 こうなってくると、身体自身が水分を欲しているのか、血糖値上昇による喉の渇きによって水分が欲しいのかがよくわからない状況になります。

 このような症状が、ひどくなってくると喉の渇きだけでなく、体重減少や倦怠感、さらには意識がもうろうとし、昏睡状態に陥ることもあるとされています。

 とはいえ、最近では糖類のみではなく、様々な甘味料の入ったものがありますので、そちらに変更すれば良いかと言えばそうではありません。

 人工甘味料は、血糖値の上昇を抑えたりすることが出来ますが、その一方で、食後の血糖値の上昇が起こりにくいために、脳の満足度が低下し、食欲増加に繋がったり、甘味に関する感覚が鈍ってくるというような指摘をはじめ、腸内細菌叢へのマイナスの影響も指摘されていますので、そのようなことも含めて理解する必要があります。

 もちろん、スポーツドリンクや清涼飲料水がいけないということではありませんが、身体との関係を理解した上で、量とタイミングを考えて上手に付き合っていく必要がありますね。


  


2024年08月02日

腸活はいつから始めるべきなのか




 「腸活」という言葉も一般的になり、様々なメディアでも取り上げられない日がないくらいになりつつあります。

 特に近年での研究成果もあり、かつては美容や瘦身などの一部の人の興味関心であったものが、免疫アップや自律神経を整えるなど、健やかな毎日を送るために欠かせないものという位置づけになってきつつあります。

 順天堂大学医学部教授で、日本スポーツ協会公認ドクターの小林弘幸氏によれば、新型コロナウィルス感染症で特に重症化するケースに於いて、高齢者、糖尿病患者、肥満の人が多く、そこでの共通点として腸内環境が悪いというようなこともあり、「腸活」に対する注目が高まった可能性を指摘しています。

 小林弘幸氏によれば、10年前ほどは「腸活」と言えば、50代になって自身の健康が気になり始めたくらいの世代の方の関心事、という傾向が高かったのですが、コロナ禍の影響で、多くの方が一度は体調不良になるという状況になってしまったこともあり、20~30代のようないままで健康に無頓着な生活をしていても健康を維持出来てきた世代の方にも関心が高まってきているようです。

 しかしながら、現実のライフスタイルを考えてみれば、このような若年層からの腸活は、「そもそも、若いからこそ必要・・・」ともいえるのかもしれません。

 腸活につながる食事の3原則があるそうなのですが、1つは朝食をしっかりとっていること。2つ目は、腹7分目くらいで抑えること。3つ目は、寝る3時間前に食事が終わっていること。この3つさえ守っていれば、何を食べてもいいとも言われています。

 その一方で、厚生労働省の平成26年に行った「国民健康・栄養調査」によれば、20代の朝食欠食率は、男女ともにその割合は20歳代で最も高く、それぞれ男性30.6%、女性23.6%です。
 さらに、一人世帯に限った朝食の欠食率は、男性の20歳代で65.5%、30歳代で41.4%、そして女性の20歳代で29.0%とされていますので、決して良い状態ではありませんし、他の世代からしても特徴的な数字となっています。
 
 これらの理由として挙げられるのは、いわゆる夜型の生活にあるとされています。

 ワーク中心のライフスタイルになってしまうことで、就業後、食事の時間が遅くなったり、その結果就寝時間が遅くなり、朝食を食べる時間が無 かったり、起床後に空腹感が出てこないような就寝時間直前の食事など、腸活にとっては良くないことばかりになっている方も多いのではないでしょうか。

 しかしながら、生活習慣病や大腸がん、さらにはメンタルヘルスに関する症状など、さまざまな病気につながる可能性がある事などはわかってはいても結果が見えにくく、変化がすぐにわからないので、なかなか腸活の重要性に気が付かないのが現状です。

 つまり、若いゆえに身体等のダメージを実感しにくく腸内環境にとって良くない生活を続けてもあまり影響が実感できないことで、現状のライフスタイルをつづけてしまいダメージを積み重ねてしまうのです。

 「お腹の健康」を中心に考えれば、睡眠不足を中心とした不規則な生活や、ファストフードが多かったり、アルコールの多飲など・・・良いことは一つもないのです。
若いうちはそれでも大丈夫かもしれませんが、そのツケが40代以降回ってくる可能性は否定できません。

 アスリートの世界でも、昔は「朝まで飲んでそのまま試合に行く」という豪快な選手も多かったように記憶していますが、最近では、「食生活が乱れるとパフォーマンスに影響が出る・・・」という理由で、食生活から見直すことで全体のパフォーマンスを上げていくという考え方は普通になって来ています。

 そうして考えれば、「腸活」は、中高年と言われる身体の不調を感じやすくなってから慌てて見直すよりも、仕事などでストレスがそれなりにかかるということや、腸内環境が乱れるライフスタイルに陥りやすい20代くらいから始めないと間に合わないとも言われています。

 早いうちから腸内環境を意識してライフスタイルを変えていく事は、メンタル面も肉体的な面の両方の面からみても健康の維持増進につながるのだと思います。



  


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2024年07月12日

何故、現代人の便が減っているのか



 順天堂大学医学部小林弘幸教授によれば、近年、「食べる量は増えているのに便の量が減っている・・・」と述べています。

 現在の、一日に日本人がする便の量は約200gと言われていますが、実際はもっと少なくて、一日80〜100gではないかと考えられているそうです。
 その一方で、第2次世界大戦が終わったばかりの調査では、日本人の一日の便の量は約300gと言われていますので、現在と比較して、3倍以上もの開きがあることになります。

 皆様もご存知のように、昭和20年当初と比較しても日本人の食事の量が減っているわけではありません。当時は食糧難ということもあり、当然のことながら現在の方が食べる総量は増加しているのにも関わらず、便の量は減少しているというのです。

 ここで、確認しておきたいのが「便」は何で出来ているのか・・・?ということです。

 多くの方にとって、「便」=「食べ物のカス」であるというイメージが強いかと思いますが、実はそうではありません。健康な人の便の80%が水分で、残る20%のうち3分の1が食べカス、3分の1が生きた腸内細菌、3分の1がはがれた腸粘膜などの腸管内の古い組織とされています。

 そこで、大きなポイントになるのが食物繊維です。以前は、「食物繊維は便を増やす効果がある・・・」と言われていましたが、実は食物繊維そのものが食べ物のカスとして、便の量が増えるのではなく、腸内細菌叢の中の善玉菌と言われる微生物のエサとして消費されてしまいます。

 その結果、乳酸や酢酸、さらには短鎖脂肪酸と言われるような様々な代謝物が腸内に優性になるために、有害物質を出すとされる悪玉菌が抑えられると同時に、腸内環境が酸性に傾きます。
 便の色は、胆汁酸が腸内のPH値によって変化すると言われており、PH値が低いほど黄色が強くなり、PH値が高いほど黒っぽい色になります。便が黄色っぽい状態に近くなることで、腸内環境も良いということになり、腸の蠕動運動が活発になり腸管内の古い組織が便となって出やすくなるのです。

 このような便の仕組から考えれば、食べ物のカスはさておき、腸内細菌のエサが確保できることで、腸内細菌の数や多様性が増し、その結果、腸内環境が整うことで腸管内の古い組織との入れ替わりが促進されるというメカニズムからすれば、食物繊維によって便の量が増加するということも理解できるかと思います。

 そもそも、食物繊維とは「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分」を総称しています。その内容は様々になりますが、多くの腸内細菌が生息している大腸付近まで、未消化のままエサとして届かなければ、当然のことながら腸内細菌は栄養不足となり、腸内環境は良い状態にはなりません。

 近年よく耳にします、低炭水化物ダイエットの影響で便秘になってしまうという方がいるという話も、「ご飯を抜く・・・」などの穀類=糖類とみなし過ぎてしまうことで、食物繊維が不足してしまう典型的な事例ともいえるのかもしれません。

 更に、現代の食生活を考えると、食品の加工技術も飛躍的に向上し、「美味しいもの・・・」が増えました。これも、糖類も含めた精製度合いが向上することで味覚に対する細かいコントロールが可能になったと同時に、食物繊維を含め余分なものが取り除かれてきました。

 その結果、食物繊維の摂取量が激減している可能性も指摘されています。

 現在、推奨されている食物繊維の一日平均の摂取量は男性で21g以上、女性で18g以上とされていますが、実際は、10gくらいしか摂取できていないとされています。
戦前には平均30gの食物繊維を摂取していたと言われていますので、現代人の便の量が3分の1に減ってしまったのは、食物繊維の不足との大きな相関関係があることが伺えます。

 かつては、身体には必要のない成分だと思われ、誰からも見向きされない不遇の時代を過ごした食物繊維ですが、2000年頃から腸内細菌の研究が進むにつれて、食物繊維やオリゴ糖などの難消化性の成分が腸内細菌のエサになることがわかってきたことで関心が高まり、プロバイオティクスに対して、プレバイオティクスという言葉も生まれてきました。
 しかしながら、現実の摂取量からすれば、食物繊維は食生活の変化によって意識的に摂らないとなかなか摂取することが出来ない成分のひとつなのかもしれません。

 そのような中、食物繊維の摂取の量が、便の量、色、臭い・・・に現れることを意識してみると良いかもしれませんね。



  


2024年07月04日

「酒は百薬の長」を考える




 アルコールの適度な摂取は血行を促進し、胃腸の動きを活発にしたり、消化酵素の分泌を促す働きを得られることで食欲増進効果がある故に食前酒という習慣があったり、免疫力向上にも良い効果があると言われてきました。

 また、「酒は百薬の長」というような言葉も古くから使われており、アルコールと社会生活との密接さも伺えます。

 そもそも、この言葉は中国古代の史書「漢書」から出た言葉と言われていますが、「適度な酒はどんな薬にも勝る効果がある」という意味とされています。この後「過ぎたるは百薬の長ならず」と続いており、お酒の功罪の「罪」の部分も表現しているとされているそうです。さらに、吉田兼好が、徒然草の中で「百薬の長とはいへど、よろずの病は酒よりこそ起れり」とアルコールに対する危険への指摘もあります。

 このように、過度な飲酒に対する危険性についての指摘は古くからありますが、国内でも従来は、「節度のある適度な飲酒」として目安が示されるだけだったのですが、「疾病のリスクを高める飲酒量」も含めたガイドラインが作成されました。

 さらに、今回のガイドライン作成の背景としては、2021年の調査で、コロナ禍でのテレワークによって、飲酒量が増えたという人の割合が40.3%と、減ったという人の15.2%と比較して非常に多かったこともあるとされています。

 今回作成されたガイドラインは、「基礎疾患等がない 20 歳以上の成人を中心に、飲酒による身体等への影響について、年齢・性別・体質等による違いや、飲酒による疾病・行動に関するリスクなどを分かりやすく伝え、その上で、考慮すべき飲酒量(純アルコール量)や配慮のある飲酒の仕方、飲酒の際に留意していただきたい事項(避けるべき飲酒等)を示すことにより、飲酒や飲酒後の行動の判断等に資することを目指すものとします。」と記されており、アルコールに関連した問題の理解・関心を高めて予防に役立てることを期待し、実際の摂取量と疾病のリスクなども具体的に提示されているのが特徴です。

 また、「お腹の健康」や、近年話題の「腸活」という視点からすれば、アルコールの飲み過ぎは腸内環境を悪化させる可能性があるとされています。

 米国国立衛生研究所(NIH)の研究によれば、アルコールを摂り過ぎると、腸内で毒性の強い細菌が増え、腸内フローラが悪化してしまうおそれがあるとの報告をしています。このことからも、アルコール摂取が腸内フローラを変化させ、腸内フローラそのもののアルコールの産生や分解に影響を及ぼすことで、腸内フローラのバランスが崩れアルコールの分解への影響が出る可能性もあるというのです。

 それだけではなく、大腸菌などの悪玉菌と呼ばれる有害菌の増加によって腸内で作られる毒素が増えたり、水分やナトリウムなどの電解質の腸から体への吸収が悪くなることで、水分と電解質の排出量の増加、更には、小腸の粘膜の働きが弱まり、十分な消化をできなくなったり、その影響も含めて、糖や脂肪の分解・吸収も低下し、下痢を起こしやすくなる可能性も否定できません。

 これらのような、腸内環境への影響はすぐさま疾病につながるということにはならないのかもしれませんが、「お腹の健康」という視点からしても、多くの疾病へのリスクは高まっていると言わざるを得ないと思います。

 かつて、「酒は百薬の長」と言われてきましたが、科学の進歩によって身体への様々な影響が解明されつつあるいま・・・この言葉を、「酒飲みの口実・・・」として使うのではなく生活に潤いを与えるためのより良い付き合い方にしていけると良いですね。