2024年08月16日
夏場の水分補給を考える

連日の猛暑が続く中、「熱中症対策」という言葉が毎日のようにあちらこちらから聞こえてきます。
その熱中症対策に一番の効果的な方法は、言うまでもなく水分補給です。
そもそも、汗は暑い熱いから出てくるということなのですが、暑さで体温に影響を及ぼさないように、体内の水分を利用し、その気化熱を利用して身体を冷やすための仕組です。
そのため、体内の水分を消費して枯渇しないように水分を補給する必要があるのです。
当然、口から入った水分がすぐさま吸収されて、汗となるわけではありませんので、「喉が渇いてからでは、遅い・・・」というような、水分補給のタイミングについても理解できるとおもいます。
そこで便利なものとして登場したのが、「吸収が良い・・・」飲料と言われる、スポーツドリンクです。とはいえ、清涼飲料をはじめ様々な飲料がコンビニエンスストアなどで手軽に入ることや、機能性表示食品や健康保険効果が認められるものも多くなってきましたので、水分補給だけでなく、・・・どうせなら、美味しい方が・・・とか、こんな効果が欲しいということで様々な理由で飲料を選択しているということが現実です。
そこで、問題になって来ているのが、「ペットボトル症候群」と言われる、水分補給時での糖分などの過剰摂取による身体の不調です。
この「ペットボトル症候群」は、砂糖が入ったペットボトル入りの飲料を多飲することで、糖尿病の自覚のない人にも関わらず、糖尿病の症状のひとつである、「喉の渇き」という症状に対する造語で、医学的には清涼飲料水ケトーシスと言われています。
WHO(世界保健機関)は、成人がとる1日の糖分摂取量を25g、角砂糖ではおよそ8個分と推奨しています。その摂取量を継続的に超えてしまうことで、身体に変調が起きてしまいます。
その典型的な事例が「喉の渇き」です。その状態で更に糖分の入った飲料を摂取してしまうことで、更に血糖値が上がってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
こうなってくると、身体自身が水分を欲しているのか、血糖値上昇による喉の渇きによって水分が欲しいのかがよくわからない状況になります。
このような症状が、ひどくなってくると喉の渇きだけでなく、体重減少や倦怠感、さらには意識がもうろうとし、昏睡状態に陥ることもあるとされています。
とはいえ、最近では糖類のみではなく、様々な甘味料の入ったものがありますので、そちらに変更すれば良いかと言えばそうではありません。
人工甘味料は、血糖値の上昇を抑えたりすることが出来ますが、その一方で、食後の血糖値の上昇が起こりにくいために、脳の満足度が低下し、食欲増加に繋がったり、甘味に関する感覚が鈍ってくるというような指摘をはじめ、腸内細菌叢へのマイナスの影響も指摘されていますので、そのようなことも含めて理解する必要があります。
もちろん、スポーツドリンクや清涼飲料水がいけないということではありませんが、身体との関係を理解した上で、量とタイミングを考えて上手に付き合っていく必要がありますね。