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2024年08月02日

腸活はいつから始めるべきなのか

腸活はいつから始めるべきなのか


 「腸活」という言葉も一般的になり、様々なメディアでも取り上げられない日がないくらいになりつつあります。

 特に近年での研究成果もあり、かつては美容や瘦身などの一部の人の興味関心であったものが、免疫アップや自律神経を整えるなど、健やかな毎日を送るために欠かせないものという位置づけになってきつつあります。

 順天堂大学医学部教授で、日本スポーツ協会公認ドクターの小林弘幸氏によれば、新型コロナウィルス感染症で特に重症化するケースに於いて、高齢者、糖尿病患者、肥満の人が多く、そこでの共通点として腸内環境が悪いというようなこともあり、「腸活」に対する注目が高まった可能性を指摘しています。

 小林弘幸氏によれば、10年前ほどは「腸活」と言えば、50代になって自身の健康が気になり始めたくらいの世代の方の関心事、という傾向が高かったのですが、コロナ禍の影響で、多くの方が一度は体調不良になるという状況になってしまったこともあり、20~30代のようないままで健康に無頓着な生活をしていても健康を維持出来てきた世代の方にも関心が高まってきているようです。

 しかしながら、現実のライフスタイルを考えてみれば、このような若年層からの腸活は、「そもそも、若いからこそ必要・・・」ともいえるのかもしれません。

 腸活につながる食事の3原則があるそうなのですが、1つは朝食をしっかりとっていること。2つ目は、腹7分目くらいで抑えること。3つ目は、寝る3時間前に食事が終わっていること。この3つさえ守っていれば、何を食べてもいいとも言われています。

 その一方で、厚生労働省の平成26年に行った「国民健康・栄養調査」によれば、20代の朝食欠食率は、男女ともにその割合は20歳代で最も高く、それぞれ男性30.6%、女性23.6%です。
 さらに、一人世帯に限った朝食の欠食率は、男性の20歳代で65.5%、30歳代で41.4%、そして女性の20歳代で29.0%とされていますので、決して良い状態ではありませんし、他の世代からしても特徴的な数字となっています。
 
 これらの理由として挙げられるのは、いわゆる夜型の生活にあるとされています。

 ワーク中心のライフスタイルになってしまうことで、就業後、食事の時間が遅くなったり、その結果就寝時間が遅くなり、朝食を食べる時間が無 かったり、起床後に空腹感が出てこないような就寝時間直前の食事など、腸活にとっては良くないことばかりになっている方も多いのではないでしょうか。

 しかしながら、生活習慣病や大腸がん、さらにはメンタルヘルスに関する症状など、さまざまな病気につながる可能性がある事などはわかってはいても結果が見えにくく、変化がすぐにわからないので、なかなか腸活の重要性に気が付かないのが現状です。

 つまり、若いゆえに身体等のダメージを実感しにくく腸内環境にとって良くない生活を続けてもあまり影響が実感できないことで、現状のライフスタイルをつづけてしまいダメージを積み重ねてしまうのです。

 「お腹の健康」を中心に考えれば、睡眠不足を中心とした不規則な生活や、ファストフードが多かったり、アルコールの多飲など・・・良いことは一つもないのです。
若いうちはそれでも大丈夫かもしれませんが、そのツケが40代以降回ってくる可能性は否定できません。

 アスリートの世界でも、昔は「朝まで飲んでそのまま試合に行く」という豪快な選手も多かったように記憶していますが、最近では、「食生活が乱れるとパフォーマンスに影響が出る・・・」という理由で、食生活から見直すことで全体のパフォーマンスを上げていくという考え方は普通になって来ています。

 そうして考えれば、「腸活」は、中高年と言われる身体の不調を感じやすくなってから慌てて見直すよりも、仕事などでストレスがそれなりにかかるということや、腸内環境が乱れるライフスタイルに陥りやすい20代くらいから始めないと間に合わないとも言われています。

 早いうちから腸内環境を意識してライフスタイルを変えていく事は、メンタル面も肉体的な面の両方の面からみても健康の維持増進につながるのだと思います。






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