2018年02月02日
脳腸相関を考える・・・腸内フローラと身体とのコミュニケーション

「人前で、スピーチをするような場面に限っておなかの調子が悪くなってしまう・・・」とか、「旅先では、どうも便秘になりがちで・・・」というような方も多いと思います。
このような症状の理由として、様々なことが言われていますが、未だに「大きな謎」の一つです。
とはいえ、以前から考えられている説の一つとして、「ストレスによって、腸内の細菌が変わる・・・」ということが言われています。
これは、ストレスによって宿主から、腸に対して神経化学物質が放出されるために、その化学物質の影響で、腸内フローラを構成する菌の状況に大きな影響を与えるというのです。
また、近年わかってきたことの一つで、「腸内細菌は、人間の身体が作り出す、神経化学物質に対して、応答するだけでなく、同じものを作る能力がある・・・」ということです。
このことに関しても、L.カゼイ・シロタ株(YIT9029)とスプレストコッカス・ラクチスなどの菌株が共同でGABAなどの脳内にある代表的な神経伝達物質が産生されることは、食品として発売されていることからしても、ある程度わかりつつあることなのかもしれません。
この腸内細菌が作り出す、神経化学物質と人の臓器などが作り出す神経化学物質との関係は非常に興味深いテーマとして、多くの研究者が注目しているということです。
例えば、感染症の発生源となる原因菌が体内に入るときに、免疫システムが作用することで、罹患、発症を抑えるということは、知られていることなのですが、どうも、免疫細胞が働くだけでなく、その感染症の原因菌が引き金になって何らかの神経化学物質がつくられ、腸内細菌や腸管の神経細胞自身もその物質に対して応答するというのです。
云ってみれば、腸内細菌と人間の身体は、それぞれが産生する神経化学物質を介して、一種のコミュニケーションをとっているというのです。
このような、仮説は腸内細菌どうしでも、同じことが言えるそうで、「クロストーク」というような表現をしています。
これから、この分野の研究が進んでくれば、「腸内細菌の組み合わせによって様々な神経化学物質が作り出せる・・・」というような時代が来るのかもしれません。
「人の身体と腸内細菌が、神経化学物資をつかって会話している・・・」のだとすれば、いったいどんな話をしてるのか・・・
是非、聞いてみたいものです。
Posted by toyohiko at 16:24│Comments(0)
│身体のしくみ