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2018年03月10日

遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品

遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品


 食品などに利用されている、「遺伝子組み換え技術」については、必ずしも良いイメージだけでないという方も多いと思います。その一方で、「品種改良」という全体的な言葉については、健康被害などの強いネガティブなイメージが緩和されてしまうような気がします。

 その理由の一つとして、「品種改良」という言葉には、「人工的に・・・」ということはあるにせよ、ある程度、「自然の摂理に従っての変化・・・」という容認できる部分が多いのかも知れませんが、

 一般的に、「遺伝子組み換え」は、細胞内にあるDNAのなかに別の生物が持つ遺伝子が組む込まれているものを指します。

 この「別の生物」というの考え方は、非常に難しいかと思いますが、植物などで耳にする「・・・の仲間」とかいう、遺伝子的に非常に近くお互いに交配可能の場合は「同じ種の仲間」とすれば、その反対が「別の生物」ということになり、DNAを直接操作しない限り一つの生物として存続しえないものということになります。

 DNAを操作しない、「品種改良」は、同じ仲間同士で、能力の秀でたものを掛け合わせる事でできた優秀な仲間という意味で、「遺伝子組み換え」とは違うという捉え方になる方が多いからかもしれませんが、実際には、「遺伝子組み換え技術」も品種改良技術の一つということになります。

 近年では、DNAの捜査はするけど、別の生物の遺伝子が含まれない「ゲノム編集食品」というものが注目され始めたというのです。

 この方法は、突然変異の選抜や品種の掛け合わせによる、従裏的な意味の「品種改良」と結果的に違いがないものとして考えられていますが、この技術の利用のされ方等制度的な枠組みなどは、しっかり整っていないというのが現状のようです。

 そもそも、遺伝子組み換え食品のリスクに関しては、別の生物の遺伝子が組み込まれることで、予想をしえない、アレルゲンにつながるようなタンパク質が生成されたり、人間が、その食品を食べることで、癌細胞につながるような異型細胞の増殖を促す恐れに関して云われています。

 そういった意味では、異型タンパクの検査及び除去などで安全性の向上などの取組をしている食品メーカーもあるように聞いていますが、この「ゲノム編集食品」が、そのような健康リスクを大幅に減らすことが出来ると云うのであれば、今後の大きな可能性につながるものなのかもしれません。

 農林水産省などの資料によりますと、「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」との違いに関して、ゲノム編集技術の方が、その生物自身の遺伝子を書き換えるために、つくる過程で入れた遺伝子を残さなくても済むことや、従来の遺伝子組み換え技術よりも、より正確に性質をかえたい遺伝子を書き換えることができ、しかもスピードが速いということで、ある意味良いことづくめ・・・という印象があります。

 その一方で、一消費者からみた場合に、この二つの技術の違いや境い目など分かりにくいところが沢山出てきそうな予感がするのも事実かと思います。

 もし、この「ゲノム編集技術」が食の将来にとって夢の技術であるとしたならば、利用する人たちが安全なものを安心して利用できるような、「わかりやすさ」を備えた制度的な枠組みが出来ると良いですね。




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