2018年04月27日
私たちのおなかの中では何が起こっているのか?

私たちの身体は、食べ物の栄養素のみによって出来ており、突然何らかの物質が原因も無く湧いてくるということは無いと考えられています。その食べ物をエネルギーにしたり、それぞれの器官を構成する細胞の再生産のもとを取り入れる大きな役割をしているのが消化器官です。
つまり、食べたものが消化吸収され身体をつくっていくということになります。
健全な身体を保つためには必要な原材料としての様々な栄養素が必要です。その栄養素の中でも、食べ物などの形で外から摂取しないといけないものを特に必須栄養素と呼んでいます。
逆に云いますと、コレステロールのように栄養素として取り入れなくても体内で産生してくれるものもあるのです。このように体内でつくってくれるものとして、各臓器でつくってくれるものもあれば、腸内細菌が食べ物を摂取する際に代謝物質として産生されるものも少ないくないとされています。
少し、想像していただければわかることですが、食品を体温と同じ温度で数十時間腐らせずに保管するということは非常に困難なことということはご理解いただけるはずです。
腐らせずに、保管する方法は数通りの方法しかありません。ひとつは、菌が入らないように真空に近い環境に密閉するなどで、もう一つは、漬物や熟成したチーズのように良い菌が優勢になった状態を保つもことです。
これは、おなかの中でも同じことが言えるのです。
もちろん、おなかの中を密閉することは不可能に近いですし、更に日常的に・・・ということになりますと「無理」ということはおわかりいただけると思います。そうなれば、漬物や熟成したチーズのように、良い菌を優勢に保つことで腐敗をしないようになる事が一番良い方法になることはご理解いただけると思います。
ここで、「発酵」と「腐敗」という二つの言葉について、考えてみたいと思います。
「発酵」というのは、発酵食品に代表されるように微生物によって、「美味しい」とか「健康に良い」という人にとって有益な物質を産生している状態を示します。その一方で、「腐敗」はその全く逆で、微生物によって「身体にとって有害」とか「嫌なにおいがする」などの物質をだす状況を云うのですが、ここでポイントになるのは、「人間にとって有害なものを出すのか・・・、有益なものを出すのか・・・」ということです。つまり、人間にとって有害なものを出す腸内細菌群を「悪玉菌」と呼んでいるのです。
この、「人間にとって有害な物質・・・」に、何があるのかと言いますと、代表的なものとしてはスカトール、インドール、アミン、フェノール、硫化水素、アンモニアなどがあり、腸内を腐敗させるこれらの有害物質は、さらに強烈な発がん物質であるニトロソアミンを作り出すとも言われているのです。
これらの有害物質を作り出す「悪玉菌」は、健康な人でも1割程度はいるとされています。
また、健康な人でも、身体にとって良い「善玉菌」も2割程度と言われていますので、「あと残りの7割の日和見菌と言われる菌をどれだけ味方につけるか・・・という攻防」が、おなかの中で常に繰り広げられているということになるのです。
特に腸内では、消化吸収という非常に大切な役割をしていますが、必ずしも良い栄養素だけを吸収しているというわけにはいかない・・・という現実もありますので、「悪玉菌」が優勢になった状態では、腸内腐敗が進み、様々な有害物質を他の栄養素と一緒に吸収し、血液を通って身体中をかけ目巡る事になってしまいます。
このような、状況が続けはどのような結果をもたらすか多くの方は、容易に想像がつくかと思います。
「ウンチの成分が、身体中を駆け巡る・・・」
食生活の中で、単に食べる・・・ということだけではなく、おなかの中に何が起きているのかも考えることも重要な事の一つだと思います。
Posted by toyohiko at 16:49│Comments(0)
│身体のしくみ