2018年06月08日
腸の「内なる外」の仕組みを考える

「内なる外・・・」という言葉は、少々わかり難いと思いますが、腸を含めた消化器官に対してよく使われる言葉です。簡単に言いますと、動物の身体は消化器官を中心とした肉厚の厚いパイプの様な構造をしていて、パイプの外側が皮膚などで、パイプの内側が消化器官・・・になっているという考え方なのです。
何故、「このような例え・・・」が良くつかわれるかと言いますと、パイプの内側であるということはパイプの両端が塞がれていなければ、外と同じと考えなければならないからです。
言うまでもなく、この両端に当たるのが、動物でいうところの「口」と「肛門」に当たりますので、「外から入る・・・」というイメージはあっても、「外とつながっている・・・」というイメージは持ちにくいのかもしれません。
しかしながら、外とつながっているからこその機能も沢山あるのです。
その代表的な機能が、腸を中心とした腸管免疫システムです。これは、外とつながっているために、呼吸や食べ物も含め常に「口」から外敵が常に入ってきています。
実際には、その多くは最近やウィルスになりますので、肉眼で見えるようなことはありませんが、「環境中にあるものが、常に入り込んでいる・・・」と考えるのが現実的であると言わざるを得ません。
これらの、状況を考えれば腸管に外敵から守る「免疫システム」が腸に集中しているのは理解しやすいと思います。
もう一方の、考え方としては、身体のもとになる食べ物の消化吸収ということで考え見ることも大切です。
免疫システムの必要性という視点で考えれば、「パイプのような構造・・・」で理解するのに十分かもしれませんが、消化吸収となりますともう少し、べつのたとえの方が良いのかもしれません。
そこで、解りやすいのが「植木鉢」なのではと思うのです。
当然、植物が植わっている上の部分が口、水抜きの穴が肛門になります。そして、植物が身体・・・ということで考えてみましょう。
まず、植木鉢の水抜きの穴が詰まってしまうと、栄養を吸収するための根っこが水浸しになり「根腐れ」という状態になり、元気がなくなり、酷くなれば枯れてしまいます。この状態は人間でいえば「便秘」ということになります。
次に、土です。
水や、肥やしについては、肥やしが栄養素ということになると思いますが、土が良い状態でないと植物の成長に支障をきたすということは多くの方がご存じかと思います。農業の世界では、「土づくりが大切・・・」という言葉をよく耳にします。
腐葉土のように適度に柔らかく、微生物によって程良く発酵した土が良いとされています。このことは、人の腸内フローラでも同じようなことが言えると思います。
だからこそ、消化器官はただの「筒」ではなく、身体が健やかに育つための良好な腸内フローラという「土」が必要ということも言えるのだと思います。
農業でいう「土づくり・・・」は、身体では「腸内フローラ」づくりですね・・・。
Posted by toyohiko at 15:17│Comments(0)
│身体のしくみ