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2018年08月18日

小腸と大腸の違いを考える。

小腸と大腸の違いを考える。


 小腸と大腸という言葉は皆さん良く知っていると思いますが、実は形や機能など色々な違いがあることはご存知でしょうか。

 腸は、約6mの長さのある小腸と約1.6mの大腸と二つの腸によって構成されていることは多くの方はご存じかと思います。

 その小腸の入り口の部分を十二指腸と呼び、肝臓やすい臓から胆汁や膵液によって、脂質や糖質が消化されていきます。十二指腸の場合は、胃と同じように様々な消化液に曝されていますので、ストレス等の様々な要因も含めて潰瘍などの症状が出来ることがあります。

 口から入った食べ物は、胃の中で消化殺菌され更に十二指腸で消化殺菌された形で小腸の中へとはいっていきます。以前にもいましたように、食べ物と一緒に外界からの細菌やウィルス等の外敵を排除するために、殺菌という機能が必要になるのですが、この役割は十二指腸までになります。

 つづいて小腸ですが、ドロドロの水状になった食べ物中に含まれる栄養素を吸収するのが小腸の主な役割です、一般的には人の身体をつくるための原材料は、小腸からしか補給できないということになりますので、身体を維持していくには、非常に重要な役割を担っています。

 しかし、小腸にはもう一つの重要な役割があります。その役割が、免疫システム中枢機能なのです。特に大腸の入り口にあたる回腸と呼ばれる部分には、パイエル板と言われる絨毛が少なく細菌が取り込まれやすくなっているところがあります。

 この回腸のパイエル板が消化管内の細菌や毒素などに関する情報収集センターであり、その情報をもとに免疫システムに指令を出すための機能をもっており、通常200か所位あると言われているのです。
 
 つまり、小腸は、消化吸収の源であると同時に、身体中の免疫システムの情報センターでもあるのです。

 続いて、大腸になりますが、大まかに云いますと「ウンチをつくる腸」になるわけなのですが、「ウンチ」といっても言いかえると、「体内に取り込んではいけない、不要とされたもの・・・」という表現もできると思います。

 何故、不要かと言いますと、「吸収されてしまうことによって身体に悪い影響が出るから・・・」ということになります。

 その筆頭に挙げられるのが、腸内腐敗によって発生した有害物質やガスです。更には、化学合成によってつくられた添加物など人間が本来持っているの消化のメカニズムでは消化できえないものなどもこれに当たると考えてもいいかもしれません。

 腸内腐敗によって出来る有害物質は、ウンチをつくる際に大腸で行われる「水分の吸収」によって血液を通じで全身を巡ってしまいます。「便秘になると、肌荒れになる・・・」という症状は、有害物質が全身に回ってしまった現象の表れだと思ってもいいかもしれません。

 また、化学合成によってつくられた添加物等は、消化されないために体内を駆け巡る可能性は低いことが考えられますが、腸管内への刺激によって慢性の炎症などを引き起こしやすくなり、酷くなるとリーキーガット(腸漏れ)症候群などに至る場合もあります。

 このように考えて見ても、単に小腸、大腸といってもそれぞれの機能もずいぶん違います。実際に大腸がんは現在でも女性の「死亡原因も上位」になりますが、小腸がんというのは「非常に珍しい病気」ということもあります。

 単に「おなか・・・」ではなく、それぞれの機能を知った上で生活習慣を考えて見ることも大切ですね。



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Posted by toyohiko at 13:39│Comments(0)身体のしくみ
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