2018年08月31日
ビフィズス菌とお肌の関係を考える

ビフィズス菌と言えば、最近では腸内細菌の代表選手の一つとして多くの皆さんに知られるようになってきましたので、ご存じの方も多くなってきたかと思います。ビフィズス菌といえば、「おなかの健康・・・」というイメージの方は多いかと思いますが、今回は、ビフィズス菌とお肌との関係を考えていきたいと思います。
突然、「ビフィズス菌とお肌の関係・・・」と言われてもピンとこない方も多いかもしれませんが、「便秘とお肌の調子・・・」という言葉に置き換えると、「あっ、心当たりが・・・」と思われる方も少なくないと思います。
実際に、便秘を訴える女性ほど、肌荒れなどの悩みが多いとも言われていますので、昔から腸内環境とお肌との関係性について関心を持っている方も多いですが、明確な因果関係などを科学的に解明するというようなことは行われてこなかったというような現状もあります。
腸内腐敗による、腸内環境の悪化についてはこれまでも様々なリスクが示されています。特に、発がん性につながるような、フェノール類などは便秘による腐敗物質の大腸内での長期滞留が原因になっていることも次第に明らかになってきました。
今回は、数100種類あると言われている腸内細菌のなかでも最優勢菌群のひとつであるビフィズス菌の入った発酵乳を健常女性に飲用していただき、皮膚性状に対する影響についておこなった研究がありますので紹介させていただきます。
内容としては、20代から70代の健常な女性を二つのグループに分けてビフィドバクテリウム.ブレーべ・ヤクルト株が100億個以上とガラクトオリゴ糖が0.6g入った飲料とその両方が入っていない飲料(プラセボ)を毎日1本ずつ4週間飲んでいただき、両者で角層水分含量、角層細胞形態などを含めて血中フェノール、採尿、さらに肌に関するアンケートなどで2つのグループでの比較をしました。
腸内腐敗の指標とされます、血中のフェノールに関しては「飲用群の方が有意に濃度が低い」という結果が示されました。
また、角層水分量に関しても非飲用群に対して有意に保持されたという結果が得られたということです。
このことから、ビフィズス菌発酵乳(ガラクトオリゴ糖を含む)の継続飲用によって、皮膚組織の角化がより正常に行われるようになることで、皮膚の乾燥に対してプラスの効果があることを示唆すると同時に、「便秘と肌荒れ」に対して、ビフィズス菌を毎日摂取することの効果が期待されQOLの向上に役立つ・・・、まさに「内外美容」「健腸美肌」を科学的に示すことにもつながる結果かと思います。
Posted by toyohiko at 16:15│Comments(0)
│身体のしくみ