2018年09月08日
商品パッケージとプロバイオティクス

ここ数年、腸内フローラという言葉が認知されるようになり、様々な食品に腸内で良い働きをするプロバイオティクスが健康増進のために利用されるようになりました。
その一方で、そのプロバイオティクスと呼ばれる微生物が、身体の中でよりよい状態で働くためには、様々な工夫が必要であるということもその一方であります。
その中で一番大切なことは、腸内細菌であるということなので、生きた状態で「腸まで到達する・・・」ということです。
そのためには、二つの課題があります。
一つ目は、胃や十二指腸のバリア機能である、胃酸や胆汁酸などの強酸にさらされても耐えうる菌株を選ぶということです。微生物は一般の生物と違い細胞分裂によって増殖することから、時間的に短いサイクルで世代交代をされるので強酸という環境に耐えうる菌株のみを選出するということを繰り返す「強化培養」という手法で強酸である消化管内の環境に耐えうる菌株を選び出すという方法です。
しかしながら、プロバイオティクスの健康効果に関して言えば、研究結果からも健康効果そのものが必ずしも、「生きていないといけない・・・」ということではないというような結果も出ていますので、商品によっては、「生きて腸まで届く・・・」ということに対してあまりこだわりがないという印象を受けたり、「生きて腸まで届く必要がない・・・」というような表現も見受けられることもあります。
とはいえ、死滅したプロバイオティクスについて効果が検証されている分野については、現段階では、免疫に関することに限られているようなので、腸内腐敗の防止や腸管の運動の促進、さらには近年注目され始めている乳酸や酢酸、酪酸などのプロバイオティクス自身が産生する単鎖脂肪酸の健康への影響などの「生きてちょうまで届くからこその健康効果・・・」もあるようなので、生きて腸まで届かせるための技術開発も様々な工夫がなされていることも事実です。
その工夫の一つとして、行われているのがカプセルに入れるなどの技術です。この技術もカプセルに使用する素材やそのカプセルを胃酸や胆汁酸で溶けてしまうことで、結果的に腸管多くの量がに到達しないなどの課題があるという面もありますので、菌株そのものが酸などの消化管内の菌にとって厳しい環境にに強いということが重要になってくると思います。
そして、二つ目は口から入る際にある程度「菌株そのものが良い状態であること・・・」も大切な要素です。乳酸菌と呼ばれる種類のプロバイオティクスに関しては、あまり神経を使う必要がないのですが、善玉菌の代表選手と言われるビフィズス菌類に関しては、実は神経を追加う必要があるのです。
その理由は、ビフィズス菌そのものが「酸素に弱い」ということです。酸素と言うとイメージがつきにくいかもしれませんが、空気に含まれる2割の酸素でも影響を受けてしまうということです。食品衛生の分野で、乳酸菌とビフィズス菌が別の分類がなされている理由も、乳酸菌のように通常の寒天培地によって菌の培養な検出の検査が出来ず。酸素が入らないような特別な培地が必要なためとも言われています。
そういうことになれば、「ビフィズス菌が元気な状態で腸まで届く・・・」ためには、商品化されたときに空気に触れないようなパッケージであることもより高い健康効果を求めるということであれば、重要な要素になると思います。
そんな視点で、身体に良い菌であるプロバイオティクスを利用した食品をパッケージを含めて確認してみるもの良いかもしれませんね。