2021年02月27日
夜食と睡眠と腸内フローラ

夜遅くまで、起きていると・・・「どうしても小腹がすいて・・・」という経験はありませんでしょうか。
そのような時には、どうしていますか・・・?
多くの方は、そのあたりにある者を探し出して口に入れる・・・という事が多いのではないでしょうか。
さらに、その時に食べてしまうものはスナック菓子などの加工食品や甘いもの・・・が多くなりがちの方もいると思います。
甘いものや炭水化物の多い食品を寝る前に口にした時のデメリットはご存知でしょうか?
甘いものを食べると、血糖値が上がることは多くの皆さんがご存知でしょうが、その後血糖値が急激に下がり始めることで、「眠気」が無くなってしまうのです。
この低血糖状態というのは、睡眠の質に対してマイナスになるという事になりますので、布団に入る少なくとも90分以上前には、食事を済ませるという事を奨めているケースをよく耳にします。
もう一つ、夜食といえばどうしてもセットになってしまうのがアルコールです。
「前日の事を何も覚えていない・・・」これは、多くの場合単なる飲み過ぎという事で簡単に片づけててしまいますが、アルコールの作用としてレム睡眠の低下による記憶の整理作用の阻害があります。
この作用によって、疲労と覚醒のバランスが崩れてしまい身体が本来持っている睡眠恒常性(ホメオスタシス)が狂ってしまうのです。
また、睡眠不足とアルコールの作用には興味深い関係があります。
アメリカでの実験では、20時間寝ていない人の運転技術は血中アルコール濃度が0.08%の人と同等位に下がってしまうという結果があり、これは、裁判などでも用いられる「上野式算定法」という求め方によれば、呼気中アルコール濃度0.15%=血中アルコール濃度0.03%、吸気中アルコール濃度0.25%=血中アルコール濃度0.05%という事になりますので、逆算すると呼気中のアルコール濃度0.25%以上になります。
日本での飲酒運転の定義によれば、呼気1ℓ中のアルコール濃度0.15 mg/ℓ以上0.25 mg/ℓ未満で酒気帯び、呼気1ℓ中のアルコール濃度0.25 mg/ℓ以上になれば、免許は取り消しとなることから考えると睡眠不足のリスクはしっかりと認識しておく必要がありそうです。
更に、多くの腸内細菌は、日中の間水溶性食物繊維やそのほか必要な栄養素を代謝したり、短鎖脂肪酸などの健康を増進するための物質を産生するというような活動をするのですが、睡眠中は働くことが出来ないという知見も出てきています。
身体だけではなく、腸内フローラも睡眠や覚醒のリズムに支配されているとも言われ始めており、夜食や深酒の習慣が健康に大きな影響を及ぼしていることは、単に食べ過ぎや二日酔いという事だけでなく、腸内細菌や脳腸相関からくる脳への影響も含めて複雑に影響し合っていると考えた方が良いのかもしれません。
Posted by toyohiko at 13:46│Comments(0)
│身体のしくみ