2021年04月16日
ストレス・睡眠と腸の関係を考える

脳腸相関という言葉に注目が集まる中、ヤクルト本社でインターネットによる全国の 20 代~60 代の働く男女 9,400名を対象に、ストレス・睡眠と腸の健康 意識 調査を実施しましたのでその内容についてご紹介させていただきます。
調査項目としては、「ストレス」「睡眠」に関する悩みのレベル・内容、コロナ禍前後での変化などや、健康のバロメーターといわれる「腸」について、腸内環境研究者の辨野義己氏監修の「腸年齢チェックシート」を活用した「腸年齢」の測定などを行いました。
調査の結果、「ストレス」については30代と40代が他の年代に比べてやや強く感じているということと、コロナ禍の影響では、新年度に伴う生活環境の変化などに伴うストレスを例年よりも強く感じる・・・という意見が多かったことなどが特徴的でした。
これらのストレスの対処方法としては、睡眠や食生活などで対応するという方法などもありますが、この睡眠に関しても、「良質な睡眠が取れている」と回答した方が46.4%と半数に満たなかったことに加えて、働く人の52.6%の半数以上の人が睡眠に悩みを抱えているという結果になりました。
睡眠に対する悩みについて、 「眠りが浅い」が一番多く35.9 %、「疲れが取れない」が27.7 %、「睡眠時間が短い」が25.4%となり、これらの悩みを持つかたはストレスを強く感じている傾向にあり、睡眠の悩みとストレスとの相関関係がうかがえます。
この結果の中で、興味深いのは「睡眠の悩み」に対する具体的な対処法として、「ゆっくりお風呂に入る」の28.2%が最も多く、続いて「早めに布団に入るようにする」「温かい飲み物を飲む」が上位に挙がっているのですが、その実施率は低く、解消には至らず満足はしていないという状況がうかがえるとともに、「何をして良いのかわからない・・・」という方が2割もあり、「悩みに対する対処ができない・・・」という「睡眠対処難民」の存在がうかがえます。
最後に、「腸年齢」についてですが、腸の健康状態がどの程度気になるかという事については63.0%と非常に高い関心が示されましたが、腸年齢が「実年齢より若い」のは60 代が37.3 %と最もおおく、逆に 20 代は「腸はもはや老人」が 15. 7%と最も多いという腸年齢と実年齢の逆転現象も見られました。
このことは、若年層の朝食の欠食率の多さなどから考えても「若さゆえの過信」と年齢にともない健康への関心が高まり食生活など実質的な生活習慣の結果が反映されているのかもしれません。
全体としては、腸年齢が若い人では健康に自信がある人が多く、ストレスは低く、睡眠悩みも少なくなりますが、腸の老化が進行している人では、健康に自信が持てず、ストレスは高く、睡眠悩みも多いという傾向が明確に出たことからしても、先ほどのように「何をして良いのかわからない・・・」という睡眠対処難民の具体的なアプローチの一つとして、腸年齢を上げることも考えた方が良いのかもしれません。