2022年04月15日
天気と身体の不調を考える

春先は、三寒四温という言葉にあるように、日々の気温の変化や生活環境の変化など、様々なストレスが気になる季節になりますが、このような、天候の変化などのストレスによる身体の不調に悩まされている人が多いことも事実です。
天候の変化は、気温だけでなく気圧が身体に大きな影響を与えるようで、「天気痛」などと呼ばれることもあり、このような身体の不調に悩まされている人が1,000万人以上いるとも言われています。
この「天気痛」と呼ばれる症状には、色々なパターンがあり、多い症状には、頭痛の51%を始めとし、肩や首のこり13.4%、関節痛12.8%、腰痛12.8%、倦怠感12.8%のほかに、目まい、眠気、吐き気、むくみなどがあるようで、これらの症状が複合的に発症する場合もあるようです。
しかしながら、これらの症状と天候の変化因果関係やメカニズムに関する研究の歴史は浅く、「身体の不調を、周りに理解してもらえない・・・」という悩みが多いという事もあるようです。
中部大学 生命健康科学部の佐藤純教授によりますと、「天気が崩れると頭痛が・・・」というような症状が出るメカニズムについて、気圧の変化を耳の内部の内耳が感じ取ることで、内耳の奥の前庭神経の興奮が起こり、その興奮によって三叉神経が刺激され神経伝達物質が放出することで、脳の血流が拡張したり、炎症物質が放出されることで、頭痛を引き起こしてしまうと説明しています。
更に、内耳が気圧の変化を感じとることで、自律神経の乱れと言われる状況に陥ってしまい、肩こり、慢性痛、倦怠感にもつながり様々な症状に陥ってしまうという事です。
しかしながら、天気と身体の不調は雨の日や晴れの日など発症の状況は異なり、メカニズムは単純ではなく、天候の変化の前にという方も多いが、晴れの時に症状が出るケースもあります。
例えば、「晴れているのに症状が・・・」というパターンの方の中には、台風の大きな気圧変動の前に発生する、微気圧変動と呼ばれる0.5hp程度の気圧の変動が繰り返しを、感知してしまうことで、症状が出るという事例もあるようです。
佐藤教授は、以下の10項目のチェックリストの6項目以上当てはまるようであれば、天候(気圧)の影響を受けることで、身体の不調を感じている可能性を考える必要があるとしています。
・雨の降り始めが解る
・新幹線や飛行機に乗ると耳が痛くなる
・乗り物酔いをしやすい
・耳抜きが苦手
・気分の浮き沈みが天候に左右される
・季節の変わり目に体調を崩す
・雨が降る前に、頭が痛くなることがある
・雨が降る前に、眠気やめまいを感じることがある
・肩が凝りやすい
・首を痛めたことがある
その一方で、重大な疾病の可能性もあるので、全部天候のせいにするのも要注意だそうです。
また、対処法の一つとして、「耳のストレッチ」を行うことで内耳のリンパの流れを良くし、気圧を感じにくくする効果があるとも言われていますので、試してみるのも良いかもしれません。
また、「季節変わり目や寒暖差による自律神経の乱れ」は、身体が、天候の影響を受けやすいとも言われています。更に、自律神経の乱れによって交感神経が優位になり過ぎることで、古傷が痛むというような症状につながり易いという事もあるようです。
人によっては、気圧の変化をあらかじめ、スマートフォンアプリなど把握するなどの工夫をしながら、市販の鎮痛薬などを利用しながら対応している人も多いようですが、自律神経を整えるためには、食事・運動・睡眠の三つのアプローチから規則正しい生活をしていく事は大切な要素の一つです。そのためにも、日々の生活のリズムの見直しも大切なのかもしれません。
Posted by toyohiko at 16:09│Comments(0)
│身体のしくみ