2014年10月03日
水分補給と身体

水は、身体の約60%を占めるともいわれている身体にとっては大変重要なものです。しかも、口から飲料やそのほかの食品に含まれる水分として補給し、循環及び代謝を繰り返しています。
また、水ということでいえば水道水やボトリングされたミネラルウォーターなどがありますが、水そのものに対して非常に強い関心を持っている人はまだまだ少ないと言えるような気がします。
しかしながら、身体の大半を占める水なので、水分補給する時に気にしたほうが良いこともあるようです。
日本の場合、水道水をそのまま口に運んでもほとんど問題の無いくらい水質が良いという特徴があります。これは、世界でも稀にみることとして知られているのですが、その中で、厳密に決められているのが、水中に含まれる大腸菌をはじめとする菌の数です。
その基準は、WHOがヨーロッパにおいて定めた規定では、水道水の一般細菌数に制限を定めていないのに対して、日本では1ml中100以下と厳しい制限を設けています。さらに大腸菌群に関しては、さらに厳しく、WHOでは、「100回検査して、5回以内の検出であれば合格」としているのに対して、日本では、「不検出」という基準で運用されています。
そのために、日本の水道水は他の国と比較した場合に、極端に塩素濃度が高いとされています。このことは、考え方のみでなく身体に対する影響への懸念もあります。
以前にも、ご紹介しましたが、ヨーロッパのミネラルウォーターは採水後の殺菌が認められていないために、森林を含めた水源管理や採水量の取り決めなどが行われていますが、逆に日本では殺菌を前提に採水しているために、採水地の周辺の環境保全に対して関心が低いという結果になっています。
もうひとつは、塩素とその影響で発生するトリハロメタンなどの有害物質の影響で、腸内細菌の減少を招く可能性があるということです。
最近は、浄水器を付けている方も多いので、塩素やトリハロメタンなどのリスクは浄水器で回避できますが、浄水器もとにかく高性能にして、なんでも除去してしまえば良いというものではないようです。
水というものは、ある意味特殊な存在で、一番の特徴は「なんでも溶かしてしまう・・・」ということです。工業用の利用する純水(H2O)に近い存在のものが、体内に入っていくことで本来必要な、ミネラルなどの微量元素が水中に溶け出し、必要なミネラルを体外に排出してしまうためにミネラル不足を招くというような指摘も最近では聞かれます。
また、飲むときの温度によっても身体への影響が異なります。
人間は、冷たいものが入ってくるとその冷たさに反応し、身体を温めようとします。そのために血行を促進する効果が得られるということを聞きます。しかし、その一方で、あまり冷やしすぎるとその反応自身が弱まってしまうということになってしまいますので、バランスが大切だということになります。
同じように、温かいお湯も血行促進を阻害するなどに繋がってしまうために、一般的には、常温の水が一番身体のためには良いということになりそうです。
普段、あまり気に掛けないかもしれませんが、水は私たちにとって重要なミネラル補給の手段の一つです。しかも、比較的、身近な河川から取水していることもあり、その地域にあった水質になっています。
身土不二という言葉がありますが、「水と自分自身の身体」という観点から水環境をもう一度、見直すとともに、口にする水について、少しだけ気にかけるようにしてみませんか・・・
Posted by toyohiko at 15:09
│身体のしくみ