2014年09月12日
夏の疲れにご用心・・・

九月に入りますと、「夏バテ」という言葉を耳にすることがあります。昔から夏バテといえば「夏痩せ」なのですが、最近では少々、様子が変わってきているようです。
具体的にどのように変わってきているかといいますと、「夏痩せ」ではなく、「夏太り」と「うつ」の傾向に変わってきているというのです。
夏の暑さによる、体調の変化が「食欲不振」であるということはあまり変わっていないのですが、結果的に「夏太り」の傾向の方が多くなっているというのです。
夏バテの症状が変化してきた理由として考えられるのは、エアコンなどの室内空調の整備と地表の舗装化の促進によってヒートアイランド効果が顕著になってきたことなどがあるようです。
自身の日常の生活を考え直してみればよくわかりますが、暑いところと、涼しいところを分刻みで出入りするようなことは少なくないと思います。近年では、省エネを意識するようになっていますので、28℃の設定も少なくないですが、それでも外に出れば50℃を超えるような温度に熱されたアスファルトの照り返しにさらされるわけです。
このように、急激な温度変化に対応するために、自律神経の乱れを生じるようになってしまいます。夏バテで「うつ」というのは、このような理由からになりますので、温度の変化に対応できるように、汗をかきやすい身体にしておくことと同時に、温度変化の少ない環境で過ごす注意が必要です。
また、「夏太り」ですが、食欲減退とともに「熱中症予防」という大命題が手伝って、スポーツドリンクなどの清涼飲料を摂取する機会が増えているからなのでは・・・ということが考えられています。さらに、室内は空調設備が整っているために、以前と比べた場合に発汗量が少なくなったライフスタイルも遠因になっている言われています。
残暑・・・という言葉が使われる9月、この月は年間で最も食中毒の発生件数の多い月でもあります。一般的な印象からすると食中毒は気温が高く、湿気の多い梅雨時のイメージを持っている方が多いと思いますが、実際には9月が一番多いという結果になっています。
食中毒の発生原因になっている原因菌の状況は、高温多湿という意味ではほぼ同じ状況だといえます。しかしながら、なぜ9月に食中毒の発生が多いかと言いますと、夏の疲れによる免疫力の低下が一番の原因では・・・と考えられています。
あらゆる感染症がそうですが、罹患率100%ということは原則的にありません。裏を返せば、罹る人もいれば、罹らない人もいる・・・ということになります。
その違いを考えた場合に何が違うのかと言えば、体調・・・つまり、免疫力の差ということになります。
9月と言えば、季節の変わり目・・・日中との気温差も肌で感じるほどになってきていることと思います。気候の問題や食生活など、色々なことを振り返った時・・・、あまり過信をせずに、自分自身の免疫力をアップするための生活を意識してみてはいかがでしょうか・・・
素敵な秋を楽しむためにも・・・
Posted by toyohiko at 12:18
│身体のしくみ