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2014年08月30日

身体のむくみと水分不足

身体のむくみと水分不足

 顔や手足のむくみに悩んでいる方も多いと思いますが、「むくみの原因は、水分がたまっているのではなく、むしろ水分不足の状態である」とういうのが、じつは、実態のようです。

 身体の中での、水の循環は水分として摂取したものが、体中に行きわたり古くなったものが老廃物や不必要なものと一緒に、尿や汗として身体の外に出ていくという流れになっています。また、そこで出ていく老廃物は、体内の細胞の入れ替わりによって代謝されるものでもありますので、むくみの根本的な原因の一つとして考えられるのは、細胞の代謝が悪くなっているということになります。

 先ほどもいいましたように、老廃物は水と一緒に身体の外に出ていきます。しかし、水分が不足していると老廃物が体外に出せないだけでなく、身体が水分そのものを蓄えようとすることによって老廃物そものもを一緒に身体のなかに蓄えるという結果に繋がってしまいます。

 つまり、「むくみの原因になるから、水分は控える」というのは、むしろ逆という理由がここにあったのです。

 また、むくみに対する悩みは男性に比べて、女性にのほうが圧倒的に多いということも、この水分を蓄える力に理由があります。

 成人の場合、身体に蓄えられている水分は約60%と言われています。その水分が身体のどこに蓄えられているかと言いますと、細胞の場所によって異なります。
 例えば、皮膚は約72%、筋肉は75~80%が水分です。その一方で、脂肪組織が蓄えられる水分量は、わずか、10~30%しかないといわれています。一般的には男女の脂質の割合を考えた場合、女性のほうが多いです。この違いが「むくみやすさ」に現れてしまうというわけです。

 また、筋肉には多くの水分が蓄えられているために、身体全体の水分が不足すると、筋肉に蓄えられている水分から補給し始める為に、全身の運動機能が低下するという結果に繋がることになります。

 また、塩分が過多になり、体内の塩分濃度があがっしまうと、体内の塩分濃度を一定に保とうとしようとするために、身体が余分な水分を要求し水を蓄えてしまいむくみが起こります。
この時も水分を控えるのではなく、水分を一緒にとって余分な塩分を取り除くことが大切です。できれば、ナトリウムを体外に排出する効果の高い、カリウムなどの多い食事を心がけたり、摂取する水の中に含まれるミネラル分を気にかけることも大切です。

 「たかが、水分・・・」ということだけではなく、身体の中の「水の循環」をよく理解したうえで、「水」との良い付き合い方をしていきたいですね・・・




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Posted by toyohiko at 11:20 │身体のしくみ