2013年07月26日
身体がよろこぶ「水」の飲み方

私たちの身体にとって、一番大切な成分は「水」といっても過言ではありません。最も水分量が多いと言われる。赤ちゃんでは体重の約80%は水分です。
この水分量は、年齢とともに変化していき幼児で約70%、成人になると男性が約60%、女性が約55%、さらに高齢者では、約50%と減ってしまいます。
この大量の水は私達の身体のどこに蓄えられているかといいますと、体内で最も水分を抱えているのが筋肉の細胞で、 先ほどの成人の男性と女性の水分量の差は筋肉量の差になります。さらに血液やリンパ液、硬い骨にも水が蓄えられています。
とはいえ、60兆個の細胞で出来ている身体の細胞一つひとつにも水が内包していると同時に細胞と細胞の間にも水がありますので、言い換えればありとあらゆるところに水があるということになります。
このように、体中どこにでもある水の役割は、栄養素などの身体に必要なもの・・・逆に老廃物といわれる身体に不必要なものの輸送と、体温調節など、身体の中の環境を一定に保つための機能だと言われています。
日本医療栄養センター所長の井上正子氏によりますと、毎日約2,500mlの水が身体から体外に排出されていると言います。季節によっても異なりますが、そのうち汗が約500ml、呼吸する時に水蒸気として出ていくのが約500ml、尿や便による排出が1,500mlとかなり多くの量になります。
当然、その分を補給するというのが必要になる訳ですが、1日3回の健康的な食事であれば、食事から摂取する水分量が約1,000ml、食べたものがエネルギーとして燃焼する際に約300ml程の代謝水というものが生成されますので、合計約1,300mlということになりますので、差引1,200mlほどの水分補給をすれば良いということになります。
水分補給の考え方はこれを基本に、生活のパターンやコンディションを考慮すれば良いということになります。例えば、身体を多く動かす場合には、その分の発汗量を補うことが必要ですし、欠食や、下痢による脱水症状の場合も水分が不足してしまいます。
また、夏野菜などは、カリウム分が多く利尿作用が高い為に、身体に熱がこもるのを防ぐと同時に、通常よりも尿からの排泄が多いと思った方が良いかもしれません。
また、1日の必要量を一度に摂取すれば良いかというと、そうではありません。身体は、そのタイミングで必要な水分量を要求しますので、そのときに余分だと判断された水分は、尿や汗で出て行ってしまったり、むくみなどを引き起こし腎臓に負担をかけてしまうこともあるそうです。
こうして考えてみると、自分に合った適切な水分量を数回に分けてこまめに補給することが良いようです。
前出の井上正子氏は、コップ1杯の水を1日に8回に分けて飲むのが理想的・・・といっています。
今年は、例年と比較して熱中症の言葉を良く耳にしますが、この予防にも適切な水分補給が必要です。
熱中症の症状の一つとして、筋肉の痙攣などが紹介されますが、身体中で最も水分を持っているのが筋肉ということからすると、合点がいくとい気もします。
水分補給については、よくスポーツドリンクを勧める事がありますが、プロスポーツの世界でも市販のものは糖分や合成甘味料の過剰摂取を嫌うために普段は口にせず、発汗により失われた塩分を考慮した、オリジナルの水分補給用のドリンクを使っていることが多いようです。
こうして考えてみると、夏場にスイカに塩を振りかけて食べる・・・
というのは、身体のためにも理に適っていたという感じがしますね。
Posted by toyohiko at 11:57
│身体のしくみ