2013年07月20日
「食品表示」気にしていますか?(Ⅱ)

食の安全・安心ということが注目されるようになってしばらく経ちますが、皆さま方は日頃口にしている食品の安全性についてどのようにしているでしょうか。
現状でいえば、食品の流通が非常にグローバル化していることもあり、実際に口にする私たちが、目の前の食品の安全性についての情報として得ることができる方法の一つに「食品表示」があります。
この表示は、食品衛生法という法律によって定められた基準によって運営をされています。
とはいえ、この「食品表示」の無いものも沢山あります。例えば、レストランやファストフードのお店では、店内で製造され対面販売をしているという理由で、表示免除という制度があるからです。
その他にも次のようなものがあります。
・化学合成されたものでも、ビタミン類やミネラル類を製造者が栄養強化目的と考えた場合。(栄養強化剤)
・原材料に加工食品を利用し、添加物がそのまま完成品に入っている場合。(キャリーオーバー)
・製造段階には使われるが最終製品に残存しないか、微量の場合。(加工助剤)
・コーヒーフレッシュのように容器や包装の面積が30平方センチ以下の場合は、袋に表示。
など・・・
もうこの時点で、意味が良くわからないと思う方も沢山いると思います。
具体的には、ファストフード店やコンビニエンスストアで購入するサラダの食品表示には、ドレッシング類に入っているものしかないのが普通です。しかし、実際には、次亜塩素酸ソーダという殺菌・漂白成分の入ったプールにつけ、さらにシャキシャキ感を出したり、変色を防ぐためのPH調整剤のプールに付けられていることが多いのが現状のようです。その後洗浄されたり、中和されたり、微量しか残っていない場合には「加工助剤」という位置づけになり添加物表示は免除されています。
また、「合成着色料・合成保存料不使用」という表示を見かけることも良くあります。気にする方であれば、この表示を探して購入するということも多いと思いますが、この表示の意味するものも少し考えていきたいと思います。
このような、表示があるのにも関わらず、パッケージの原材料表示の欄には、「着色料(カロテン・カラメル)」とか、「カロテン色素、カラメル色素」という書いてあるのを見たことがあるかたもいると思います。
食品添加物の現状に詳しい、小藪浩二郎氏によりますと、天然のカロテンなどを利用する場合は「抽出カロテン」や「ニンジンカロテン」という表示を使うはずですが、高価なためにあまり使われることは無く合成されたものが入っていると考えた方が良いと言ってると同時に、こうしたことを許してしまう法令の問題点を指摘しています。
先にも述べたように、ビタミンCやビタミンEは、酸化防止の目的に使われることが多いのが現状なのですが、「栄養強化目的」ということであれば、「酸化防止剤」という表示が免除されますし、「保存料」としてよくつかわれている合成アミノ酸の「グリシン」なども、表示の段階になってくると「調味料(アミノ酸等)」という表示になってしまうことが少なくないそうです。
さらに、良いか悪いかわからないようなややこしい名前のものが多いのも、化学合成物質の特徴です。天然のデンプンであるコーンスターチに対して、「加工デンプン」というものがあります。これは、本来のデンプンに化学薬品を混ぜて低価格化を図っている化学合成物質ですが、よっぽど知識がないとよくわからないというようになっているのが現状のようです。
これでは、「真面目に食品を作っている人たち」と、「化学合成物質を多用しうまく金儲けをしようとしている人たち」の見分けが非常に付き難い・・・という結果になっているような気がします。
しかも、化学合成物質に味覚が慣れてしまったために、「真面目に、作った食品の方が支持されにくい」と嘆いている人たちの声も耳にすることさえあります。
自分たちの健康や社会を守るためには、「安ければ、それで良い・・・」のではなく、そこに関わる人の「仕事の価値に対する対価」としての価格を受け止めることができるよう、情報の取捨選択ができることがますます必要になってくるような気がします。
Posted by toyohiko at 11:48│Comments(0)
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