2012年12月22日
マーガリンとクローン病

マーガリンと言えば、バターやラード等の動物性の脂肪よりも健康にいいと思っている人が多いのではと思いますが、ところでその「常識」とされている事は本当なのでしょうか・・・
以前、ドイツでクローン病という難病が多発して社会問題になったことがあります。クローン病というのは、自己免疫疾患の一つとされており消化器系全体に潰瘍をを起こしてしまうという病気です。
以前、安倍晋三氏が身体の不調を訴え総理大臣の職を辞任した時にかかっていたと言われている潰瘍性大腸炎もその症状の一つです。そう説明されると「あっ・・・」と思った方もおられると思います。いずれにしても、現代の医学を持ってしてもなかなか治りにくい難病の一つであることは間違いありません。
マーガリンとこのクローン病、皆さんは唐突に思われるかもしれませんが、ドイツではクローン病の原因がマーガリンであるとされたという歴史があるからです。
以前もマーガリンが出来た由来に関してお話しましたが、マーガリンやショートニングなどがどうやって作られるかと言いますと、マーガリン等の原料になる植物性の油脂や魚類の油脂は常温では液体になっています。したがってそのままでは、バターやラードの代用品にすることが出来ないので水素を添加することで油脂の融点を上げているのです。
ここで問題になるのが、水素を添加した時に分子の形が変わり、トランス脂肪酸というものが出来るということです。そのトランス脂肪酸が血圧や血液の粘度などさまざまな体機能を微調節するホルモンであるプロスタグランディンという物質を体内で作れなくなってしまうということです。
そういったこともあり、欧米ではトランス脂肪酸についての様々な取り決めがなされており含有量の表示の義務というのは一般的になっています。しかし、日本ではトランス脂肪酸の表示義務はもとより、バターよりもマーガリンの方が健康に良いという風潮も手伝い、スーパーの店頭ではマーガリンの品揃えが充実しています。
また、近年はスィーツブームでコンビニなどにも沢山の美味しそうな洋菓子が安い価格で並んでいます。それらの商品を手にとって、原材料表示を見てみるとマーガリン、ショートニング、植物性油脂のなかのいずれかの名前が1番はじめに並んでいるというものをたくさん見かけます。
実は、この傾向はお菓子類だけでなく加工食品にも同じような傾向が見られます。あるコンビニに置いてあるカレールーを比べてみたら、NBの商品とPBの商品の価格が倍以上NBの方が高かったのですが、裏の原材料表示を見てみると同じメーカーが作っており、似たようなパーッケージなのにもかかわらず、NBの方は、牛脂豚脂混合油・パーム油で始まるのですが、価格が約半分のPBの商品は植物性油脂で始まっています。
ここまで、言えばみなさんもお分かりかと思いますが植物性油脂は動物性油脂に比べて非常に安いということです。そのせいかどうかは分かりませんが、植物性油脂に入っている危険性のあるトランス脂肪酸に関する情報の表示義務は日本にはありません。
裏を返せば、「安いのには理由がある・・・」と言うことをよく考えて、情報を読み取る力がないと自分や家族の健康は守ることが出来ないということです。
そういう見方で、価格と原材料表示を見比べてくると色々なことは分かってくるかもしれませんね・・・
Posted by toyohiko at 16:51│Comments(0)
│食べ物を選ぶ
※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。