2011年04月28日
健康の定義

「健康」という言葉、日常的に使われている言葉であり、また誰もが望んでいる言葉であるという認識は皆さん共通のことかと思います。
ただ、「健康って何ですか・・・?」の問いかけに明確に回答の出来る人はどのくらいいるのでしょうか、この「健康」という言葉ですがあまりにも日常すぎて、実はそれぞれのイメージが微妙にずれている言葉なのではないかと思うことがあります。
実は、健康の定義はWHO(世界保健機関)の保健憲章の前文に以下のように記されています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
(健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的によい(安寧な)状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないということではない。)
つまり、身体、心、生活する環境の3つの状態をより良好にしてくことを目指していくことであるということが明確に示されています。
身体の状態が良好であることを目指す。ということは「健康」という言葉としてイメージしやすいのですが、精神と社会的というところをしっかりと理解していくことも同時に重要だと思います。
近年、心のケアとかストレスという言葉がいろいろなところで聞かれるので、そう言ったアプローチであればイメージがしやすいですが、精神的に良好な状態を損なう大きな原因として「不安」ということがあると思います。
例えば、健康診断でも「特に不具合が無い」という状態を認識出来れば大丈夫ですし、もし仮に、病気が見つかっても本人が状況を理解し、適切な対応が出来れば不安ではないということになります。
つまり、そこに不安にならないための「情報の品揃え」があるか、その情報のリテラシーに適うだけの教育を享受しているかということが重要だと思います。国際的にも発展途上国などの格差問題で識字率の向上などの教育の普及に力を入れていることも「健康」を保つための取り組みともいえます。
最後の、「社会的に良好」というということがもっとも難しいことかと思います。社会というものの捉え方もあると思いますが、人それぞれ趣味や嗜好、考え方が異なります。その違いをそれぞれのコミュニティ(共同体)でいかに共有するかということなので、なかなか一つの方向にまとめるのは至難の業です。
特にビジネスの場面でありがちなことなのですが共有するキーワードが「成長」だとした場合、じつは成長はプロセスのことであり、本当は「○○への成長」というような行方をしかっりと見据えなくてはいけないのに「成長のために・・・・」となってしまうと、結果、「膨張」しただけになり「幸せ」とはかけ離れたところに行ってしまうかもしれません。
こうして、いろいろ考えてみると「健康」保つための秘訣は、「生きていく上で、守るべき大切なものを明確にする」ことなのではないかと思います。
「良く、仕事と私とどっちが大事なの・・・?」という問いに、どのような答えを出すことが出来るか・・なのかもしれません。
その時は、一番後悔しないと思う選択はなにか・・・を考えてみましょう。
Posted by toyohiko at 15:29│Comments(0)
│社会を考える
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