2010年04月09日
バーチャルウォーターという話

昨年、知り合いの方に頂いた蘭の花が今年咲きました・・・
花屋さんにあるように、正面を向いて咲いて綺麗に・・という状態とは少々遠い感じもしますが、野生のまままってこんな感じなのかな・・?ということを考えたりもします。
先日、この蘭を頂いた方にお会いする機会があったのでお礼がてら報告をさせていただいたら、「居心地が良いんだよ・・」との返事が・・・
ということで「居心地」が良いから咲いたということのようです。
前回は、本来の季節でない作物をつくるためのエネルギーや、その食べ物のもつ、体に与える影響を考えてみましょうという話をしました。
今回は、地球という大きな身体と私たちの口にする食べ物の関係について考えてみましょう。
地球上にはたくさんの水がありますが、その内訳を見てみますと、海水97.5%、固体化された淡水(北極や南極の氷などもこれに入ります)1.75%、そして飲み水になる可能性がある淡水は1%しかないと言われています。その1%のうち97.5%が地下水、残りの2.5%が川や湖などの目にすることのできる水で地球全体からすると0.025%しかないということになるのです。
日本では、普通に水道の蛇口をひねれば水を飲むことが出来ますが、水道水をそのまま飲める国は日本、ドイツ、フィンランド、ニュージーランドなどごくわずかといわれています。しかも、飲める国であっても国全体ではなく一部の都市のみというのが実情です。つまり、食料としての水の取り合いを世界中で行っているということになるのです。
バーチャルウォーターという言葉を聞いたことがありますでしょうか。バーチャルというのは仮想という意味ですが、当然のことですが農作物にしても、畜産物にしても一定の状態まで成長するのに「水」が必要です。しかし、一旦その作物が国や地域という境を越えて移動することによってそこまでにかかった「水」も一緒に移動するという考え方です。畜産物になれば、成長するまでに食べた作物が成長するまでに必要な水まで計算に入るわけですから莫大な量になります。
つまり、食料の60%を輸入に頼っている日本の場合、水道水をそのまま飲める国でありながら、世界中から大量の「水」を搾取しているということになるのです。
その反対で、飲める水を作り出している森林や農地(特に水田は国土全体の保水に大きく寄与しているといわれています。)は、開発という名のもとに次々と減少していったり、放置されたりというのが現状です。
先日、コペンハーゲンで行われたCOP15が不調に終わったことの遠因として「日本は、CO2削減の前にもっとすることがあるだろ」という感情的なこともある。というような話も出るほどです。
また、外国の資本が「地下水」を目的に日本の放置林を買い漁っているという話なども出てきています。
私たちも「水」のありがたさをもっと知った上で、「水」と「食べ物」という視点で自分たちが身近に出来ることも考えていかなければいけませんね。
結構、いろいろとありそうな気もします・・・・。
Posted by toyohiko at 11:46│Comments(1)
│食べ物を選ぶ
この記事へのコメント
このときに撮った胡蝶蘭のはな8月上旬の今も咲き続けています。
室内から屋外の直射日光の当たらない場所に出し、放りっぱなしです・・・・。
なるべく原産地の条件に近いところをと思いそうしているのですが、なかなかの生命力に驚きです。
Posted by toyo at 2010年08月07日 16:15
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