2010年03月13日
身体のお便り

食物は、口から入り胃まで送られ、消化と殺菌を繰り返し、腸まで届きそこで初めて栄養分として吸収されます。そして、最後は「便」となり体の外に排泄される。そのごく当たり前の生理作用の中に様々な自分自身の情報が集約されているのです。
その「便」が、何から出来ているかと言いますと約80%が水分(一番良い状態)で、残りの20%は、消化・吸収されなかった食べ物のカス、消化液、脱落した消化管粘膜、そして腸内細菌で構成されています。
このことからも判るように腸の中には約100兆個といわれている腸内細菌が人と共生しており、その状態(腸内(ちょうない)菌叢(きんそう))が健康に大きく関係しているといわれています。
その結果の「お便り」が「便」ということになります。つまり、腸内細菌のバランスがよく善玉菌が多くおなかが健康であれば、糖質の発酵が盛んになり便は酸性になりますし、逆に悪玉菌が多いとタンパク質の有害物質がつくられ分解が盛んになり腸内の腐敗が進みアルカリ性になりそれが、「便」の色や匂いとなって現れるということです。
日本人の食の欧米化ということがよく言われていますが、これも身体のことと深く関係しています。一般的には、日本人と欧米人の腸の長さを比べると1m位日本人のほうが長いそうです。
つまり、腸内腐敗しやすい脂質の割合の多い食事を摂った場合、食べ物が36℃前後の物が腐りやすい環境で、おなかの中に長く滞留することとなり健康に影響を与える可能性が高くなるということです。
また、欧米から入ったカタカナ主食が、脂質や糖分との相性が良いのも長年の食習慣と身体の仕組みとの関係とも言えるかもしれません。
食べるときの環境も身体に大きな影響をあたえます。人間の身体は、細菌などの外敵から身を守るための免疫システムというものをもっています。その約7割が腸にあるとも言われています。
それと同時に、明るく楽しく笑うことでその免疫システムの力が発揮されるとも言われています。そう考えますと、「何を食べるか」と同時に「どこで誰と食べるか」も重要になってきます。その結果も身体の「お便り」を見ればわかるのです。
最近では、「便をプロデュースする」なんていう言葉もあるようです。そんな視点で食を見直してみたらいかがでしょうか。ひょっとすると、飲んでいる水から地球の健康もわかるかもしれません。
Posted by toyohiko at 16:44│Comments(1)
│身体のしくみ
この記事へのコメント
「便をプロデュースする」という表現はインパクトがあっておもしろいですね。
自分のからだは自分でつくるということを認識すれば、からだに悪い食べものをわざわざお金を出して食べなくなるでしょう。
Posted by あらお at 2010年03月13日 17:57
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