2014年12月06日
幸せホルモンと栄養素

「幸せホルモン」という言葉を最近よく聞くようになってきました。このホルモンはセロトニンと呼ばれ、脳内と同時に腸管の周りの神経細胞でつくられているということが最近分かってきています。
また、メンタルストレスを抱え、日常生活に支障が出てきている方のほとんどがセロトニン不足であることが分かってきています。また、脳内のセロトニンがメラトニンという睡眠の質に大きくかかわる物質に変化することも知られています。
そのため、最近の抗うつ剤などは、セロトニン再取り込みを阻害することによって脳のセロトニンの量を調整することで、QOL(quality of life)の改善を図るような仕組みのものもあるそうです。
つまり、セロトニンの量は「幸せホルモン」名の通り、日常の生活の質に大きくかかわっているのです。
そのセロトニンが足りない状態にある場合は、なんとなくやる気が起きないなどの症状を引き起こす可能性が高くなりますので、どうすれば、体内のセロトニンを増やすことが出来るかを考えてみたいと思います。
以前は、脳内に作用するホルモンについては、脳内のみで産生されると考えられてきたものもありますが、最近の研究では腸管の周りの神経細胞で作られているものが沢山ありことも分かってきており、セロトニンもその一つです。
つまり、腸内環境が良い状態であるということは非常に重要な要素になります。
腸内細菌のバランスは言うまでもなく、本来自然界に存在しえない化学合成の添加物を中心とした食品が腸管に対して、過度のストレスを与えるともいわれていますので、気をつける必要があります。
また、セロトニンの産生には鉄が必要とされているそうで、鉄分が足りていない事で、イライラ感が強くなったりするという症状が出ることもあり、心療内科医の姫野友美氏によりますと、特に更年期以降の心身の不調を訴える女性の方などは、鉄分を補給することでそのような悩みが解消されることも少なくないそうです。
鉄分の不足を訴える人の多くは女性であることが多いことからも、男子の方が女性よりも気分が安定しているのは男性の方がセロトニンの量が多いためと考えられているとも言われています。
また、鉄については吸収の悪いミネラルなので、植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」よりも吸収が良いといわれる動物性の食品に含まれる「ヘム鉄」を意識して食べるようにすることも大切です。「ヘム鉄」が多く含まれる食品としては、肉(特に牛肉)やレバ―があります。
もちろん、どのような栄養素を多く摂取するように意識しても、腸がしっかりと吸収出来る状態になることが大切なので、セロトニンをつくる場所という意味でも、まずは腸内環境を整えておかないとせっかく意識してとった栄養素が台無しになってしまう可能性もないとは言えません。
ストレス社会といわれる現代においては、「幸せホルモン」であるセロトニンの存在を少し意識して、日頃の食生活を考えてみることも大切かもしれませんね。
Posted by toyohiko at 20:20│Comments(0)
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