2014年12月27日
美味しいは、腸内細菌が決める

食べ物を食べたとき「美味しい」と感じることは、身体にとっても非常に強い刺激を与えます。特に脳が一種の快楽を求めるとも言われており、強いストレスを感じた時に、むやみに甘いものを要求することなどは、脳の報酬系を刺激することによって擬似的にストレスを回避する為に、脳が快楽を求めたりすることも良く知られています。
また、「・・・が食べたい」という欲求は、どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。水分や塩分などは、体内にその成分が不足している場合に身体が要求するということはよく知られています。
「これが、食べたい」という指令は脳が出すのだと思うのですが、脳は、その情報をどのようして受け取るのでしょうか。
以前、昆虫の食性についての研究結果を耳にしたことがあります。昆虫というのは、基本的にひどい偏食です。これは、お互いの種がひとつの食物を奪い合わないための遺伝子の知恵とも言われています。
具体的に言うと、蚕は桑の葉・・・というように極めてニッチな食性を示します。そのような中、異なった昆虫同士の腸内細菌を入れ替えるという実験をした結果、食性までが入れ替わってしまったということがあるそうです。
そういうことからすると、「これが食べたい・・・」と脳に指令を送っている張本人は、腸内細菌なのかもしれないという気もします。
また、腸内細菌は腸内細菌どうしで、相互作用をしているともいわれ、微生物の世界では、クロストークと称され、話をしているかのごとく表現されています。
そういうことからすると、「食べたいものが思い浮かばない・・・」ということは、腸内環境が良くなかったり、体調が良くないサインなのかも知れません。
また、「夫婦、似たもの同士」という言葉がありますが、一緒に生活していると似てくるというだけではなく、長い間同じようなものを食べていると、その人たちの腸内バランスが次第に似てくるということもいわれていますので、腸内細菌が似ていれば、「美味しい」と思うものも似てくるために、一緒に食事をすることが楽しくなると思います。
さらに、一緒に食べる食事が、「美味しくて、楽しい」ということは、腸内環境が良好で、幸せホルモンであるセロトニンも沢山でてくるために、穏やかな気持ちで日常生活を送れるようになる。
穏やかな気持ちなれば、相手を気遣う心のゆとりが生まれる。・・・という、良い循環になっていくような気がします。
ひょっとすると、「相手の胃袋をつかめ」という言葉も、実はつかまなくてはいけないのは胃袋ではなく、「腸内細菌に気に入られる・・・」ことなのかもしれません。
これから、食事をするときには、腸内細菌のことをちょっとだけ気にしてみませんか・・・?
Posted by toyohiko at 10:52│Comments(0)
│身体のしくみ