2015年01月09日
タンパク質のイタズラ

タンパク質と言えば、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつでもあり、私たちの身体を構成するために重要な栄養素だということは、皆さんもご存じかと思います。
そのタンパク質が「イタズラを・・・?」と思うかもしれませんが、アレルギーの原因物質をはじめ、BSE(狂牛病)の原因とされた異常プリオンなどもタンパク質です。さらに、様々な感染症を引き起こすウィルスも角度を変えてみれば、タンパク質の分子そのものともいえます。
一概に、タンパク質と言っても先ほど述べたように、様々な性質のものがありますので、全部を一括りには出来ない部分が多いということになります。
アレルギーという観点でいえば、口に入れたり肌に触れたりしたときに、異物とみなすようなものについては、自身の免疫システムが反応する為にアレルギー症状が出る可能性があるということになります。
今回は、口に入ったり、肌に触れたりするものをつくるときに、どのようなことが考えられているかという観点で、考えてみたいと思います。
食品の場合、産地の問題に関してはかなりの方が関心を持っていると思いますが、それと同じくらいに、遺伝子組み換え(GM)食品であるかどうか・・・ということは、多くの方が関心を持っていることだと思います。
遺伝子組み換え食品に関する是非については色々な考え方があると思いますが、一番のリスクは、人為的に生命体の仕組みに対して刺激を与えた場合に、今までの概念では「予想しえないもの」が、出来てしまう可能性がある。ということです。
さらに、その「予想しえないもの」が、人体に対して、どのような影響が出てしまうかということも「予想しえない」ということにあると思います。
食品の世界市場を見渡した時に、遺伝子組み換え(GM)食品として、大規模に流通している代表的な作物にトウモロコシがあります。特にこのトウモロコシは、砂糖より低コストでできる、糖質であるブドウ糖果糖液糖(異性化糖)の原料として多く使われています。
このブドウ糖果糖液糖は、低価格ということもあり清涼飲料水をはじめ、様々な調味料などに使われています。
その一方で、現状では、原料のトウモロコシを調達する時点で、遺伝子組み換えか否かを指定して、商品を確保することは、ほぼ不可能という状態にあることは、この世界では良く知られていることです。
それゆえに、ブドウ糖果糖液糖の安全性に不安を覚える方たちが、多くいることも事実としてあります。
先ほども、申し上げましたように遺伝子組み換え食品そものもの是非を根本から否定してしまうと、人工交配による品種改良までも否定されてしまうことになりかねませんので、何がリスクになっているかということを認識したうえで、そのリスクを適切に排除する必要があるということになります。
この場合のリスクは「予想しえないもの」ということになりますので、見たこともなかったり、すでに人体に悪影響を及ぼすようなタンパク質(異型タンパク)を検査して、そのようなものが入っているような場合は使用しない。という選択をすることによって、検査に関わるコストはかかってしまうものの、安全な食品を適切な価格でお届けすることにつながってきます。
実際に、一部の大手食品メーカーなどでは、自社の研究所などの機関を使って検査をしているという話も聞いたことがあります。
食品に関わらず、化粧品なども同様で、「予想しえないもの」を極力除去する必要があります。お肌の保湿成分で皆さんが良くご存じの、ヒアルロン酸なども乳酸菌などの微生物を利用して培養している場合がほとんどになります。
当然、培養に関わる、乳酸菌自身もタンパク質になりますので、場合によっては「予想しえないもの」になる可能性を否定しきれない場合は、ミクロンの単位のフィルターを使用して、菌そのものを完全除去するということも行っているところもあるということです。
たかが、タンパク質・・・しかし、アレルギーなどの症状から身を守り、安全・安心を提供する為には様々な研究と試行錯誤をしているところも沢山あります。
これからは、一概に1つの尺度で、是非を論ずるのではなく色々な情報を整理したうえで判断することがますます必要になりそうですね。
Posted by toyohiko at 17:09│Comments(0)
│食べ物を選ぶ