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2015年02月13日

薬の副作用と上手に付き合う

薬の副作用と上手に付き合う

 病気と薬とは、切っても切れない関係にあることはご存じのとおりですが、その時に気になるのが薬の副作用です。

 薬と食べ物の食べ会わせなども色々なところで、よく聞く話のひとつです。グレープフルーツとワーファリンや高血圧の薬であるカルシウム拮抗剤との関係などはよく知られている話のひとつです。

 秋葉原駅クリニック院長の大和田潔氏によりますと、薬の副作用というものは大きく分けて3つに分類されるそうです。

 一つ目は、もともと期待される効果が強く出すぎてしまう場合、二つ目は、薬の本来持つべき作用とは予想外の反応が出てしまう場合、最後にはどのような薬でも起こりうる作用があるそうです。

 一つ目のケースは、先ほどのワーファリンとビタミンKの関係で考えた場合、ワーファリンという薬は、血液の凝固に必須であるビタミンKを阻害することで抗凝固作用を促します。しかし、ビタミンKは腸内細菌が合成するものもあるために、抗生物質を同時に服用したりすることで、腸内環境が悪くなることによって元々のビタミンKが減少しすぎてしまうために、ワーファリンの効果が出すぎてしまうこともあるそうです。

 また、薬の服用に関しても身体の痛みがあると胃の働きが悪くなり、消化機能が低下することによって薬の作用が悪くなりいつまでも症状が良くならないこともあるそうです。

 続いて、二番目のケースですが、薬そのものは効いてほしいところだけに作用するのではありません。経口の場合においても注射による場合においても同様ですが、「血液にのって全身に運ばれている。」ということもよく認識しておく必要があります。

 降圧剤としてよく知られるカルシウム拮抗剤の場合などは、脳の神経細胞のカルシウムチャンネルの働きを抑制する効果もあるために、だるさや眠気、歯肉増生の症状が出てしまうということもあるそうなのです。

 また、花粉症などに使われる抗アレルギー剤によって生理不順になったり、咳止めや総合感冒薬に使われる抗コリン作用を持つ薬で、前立腺肥大になる傾向にあることや、緑内障を悪化させることもあるそうです。

 このような症状は、処方薬だけでなく市販薬でも同じ注意が必要だそうです。身体の方に不調が出た場合には専門の方に相談することが大切になります。

 うまく薬と付き合っていくには、少量の薬でしっかりと効く身体を用意しておくことが大切なのだそうです。食べ物からの栄養も同じですが、様々な成分を消化吸収する唯一の臓器は腸です。その腸の状態の良し悪しによって結果的に薬の飲みすぎになったり、副作用が出やすくなる可能性も否定できない・・・
 ということになれば、健常時のことだけでなく病気の時に備えても腸内環境を整えておく必要がありそうです。



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Posted by toyohiko at 23:14│Comments(0)身体のしくみ
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