2015年02月27日
リーキーガット症候群

「リーキーガット症候群Leaky Gut Syndrome(LGS)」という言葉聞いたことがありますでしょうか。「腸が漏れる」という言葉の通り「腸管壁浸漏症候群」というように訳されるそうですが、何らかの理由で腸の粘膜が損傷されることで、本来体内に入るはずの無いものを体内に取り込んでしまう症状のことを言うそうです。
腸というのは、身体の中というように思う方が多いと思いますが、「口」から「肛門」まで、1本の管でつながっていると考えれば、口などと同じで外界と常に接していると考えたほうが理解がしやすいことが多いのです。
例えば、免疫システムの多くが腸に集中していることも、「外界からの砦」としての機能を備わっていると考えれば理解できますし、腸の粘膜は外界と接する場所にあたるので、外界から身体を守るために重要な場所であると同時に、繊細な働きが求められるということになります。
また、腸の内壁には無数の絨毛がありその表面積は、成人男性でテニスコート1面分とも言われています。さらにその絨毛を覆うように数100種類、100兆個の腸内細菌が、多くの花が咲き誇るな花畑のように見えることから腸内フローラ(腸内菌叢)と呼ばれています。
その腸内細菌も含めた腸内環境が乱れてしまうことによって、様々な影響が出てきてしまい腸の粘膜に傷がつくということになります。
その原因については、お腹の中に入ってしまった細菌が産生する毒素をはじめ、食品などに含まれる本来自然界にないとされる化学合成物質、飲み薬やストレスなど様々です。
原因はともかく、傷ついてしまった腸粘膜によってどのようなことが起きてしまうかといいますと・・・
本来、口から入った食べ物は消化されることにより、分子構造的に小さくなりながら、必要な構造まで小さくなったものだけを腸壁から体内に取り入れることになっています。
しかし、腸粘膜の傷によって本来の大きさや構造と違ったものがすり抜けて体内に入ってしまったら・・・という状態を想像してみてください。
腸は、外敵から身を守るために異物を排除しようとする機能が、もともと備わっています。「下痢」の症状がその典型的な事例です。腸壁から体内に入らない様にその前に外に出すための作用です。
しかし、本来入ってこないものが体内に入ってきてしまうと、その異物に対して免疫システムが攻撃をはじめ炎症を引き起こすことになります。
この場合、明らかに異物であれば日常の生活の中でそんなに頻度が無いはずなので、問題にはなりにくいのですが、仮に未消化の食べ物を異物と判断する身体になってしまったとしたら、腸管の周辺の神経細胞も含め日常的に炎症との戦いで大変なことになってしまう・・・ということになります。
このように、おなかの中で起きていることをイメージしながら日常の生活を少しだけ見直す・・・ことができれば、より快適な生活を送ることができるかもしれませんね。
皆さんも、「腸」にいたわりを・・・
Posted by toyohiko at 15:51│Comments(0)
│身体のしくみ