2015年03月14日
腸とストレス

腸というのは、以前にも申し上げたように口から肛門までのひとつの管になっています。しかも、生物が身体をつくるために必要な栄養をとりいれる唯一の場所になっています。
栄養をとりいれるということを別の視点で考えてみると、腸を中心とした消化器官というのは、異物が入ってくる入口ということも言えます。
当然、食べ物と一緒に細菌やウィルスを始め様々な腸内に入ってきたものを仕分けしていく過程において、腸自身も相当のストレスを抱えているという考え方もできるのではと思います。
そういった理由もあり、腸管には免疫システムが集中していますし、様々なストレスによって炎症が起きてしまうことも多くあるようです。
この炎症というのは、感染症の原因となる細菌やウィルスを始め、口から体内に本来自然界に無いものや、自然界にあったとしても身体にとって毒性の強いものが入ってくることによって起こってしまいます。
炎症がひどくなってくることによって、リーキーガット症候群(腸漏症候群)のような症状がでることもそうですが、発生した炎症を抑えるために副腎皮質ホルモンのひとつであるコルチゾールを多く必要とします。
コルチゾールを必要とするということは、副腎により多くの負担がかかるということになりますので、結果的に副腎疲労というにつながる可能性が出てくるということになります。
副腎に限らず、ホルモンなどの分泌物は必要に応じて産生するような仕組みになっていますが、常々の身体の状態に合わせてそれなりの量をつくるような準備をしているとすれば、普段から腸内の炎症が多い場合にはコルチゾールを多くつくるための仕様になってしまい、分泌量の調整がつきにくい状況に陥ってしまうというリスクも考えられます。
さらには、腸内には腸内フローラといわれる数100種類100兆個にものぼる菌叢があります。この腸内フローラのバランスは、その宿主にとって良い働きをする善玉菌と悪い作用をする悪玉菌、さらに日和見菌から成り立っています。
このバランスは、外界からの異物という物理的なストレスによって崩れてしまうことは知られていますが、精神的なストレスによっても、「腸脳相関」などの影響により、大きくバランスが崩れてしまうことが分かってきています。
また、腸が本来の機能をしっかりと果たさなかったとすると、腸の次の砦である、肝臓という「毒」というストレス源を排除するための臓器への負荷が多くなるということになります。
こうして、身体のあらゆる器官においての悪循環を招くとすれば、まずは、腸にかかるストレスというものに対してしっかりと向き合い、日常の生活を見直すことは自身の健康にとって大切なことかもしれませんね・・・。
Posted by toyohiko at 21:35│Comments(0)
│身体のしくみ