2015年04月05日
旬の野菜のチカラを考える

春になってくると、身の回りの自然の装いの変化が気分を高めてくれる・・・という方も多いと思います。その一方で、この春は食品の値上げという私たちにとっては、あまり好ましくない報道もたくさん流れています。
「食品の値上げ」について、少し考えてみると、その多くは加工頻度が高く一年中手に入る食品が多いような気がします。食品というものはそもそも、「自然の恵み」の一部を頂く・・・ということなので、当然四季のある日本では野菜や魚も含め、その「自然の恵み」は周りの環境に大きく影響を受けるということは当然のことといえます。
とはいえ、消費者の利便性や販売側の経済的都合などで現在流通している食品のほとんどは、一年順手に入るものがほとんどになっています。
つまり、消費する側がよっぽど「旬」というものを意識しないと、その「旬」というもの存在すらあまりなくなっていってしまうということもあります。
現に、野菜や魚の「旬(本来、採れる時期)」を知らないという人が増えているという話もよく耳にします。
しかし、「野菜などの作物の栄養素の量が採れる季節によって違う」としたらいかがでしょうか・・・?
女子栄養大学生物有機化学研究室専任講師の日笠志津氏によりますと、野菜の栄養価は「品種」「地域差」「栽培技術」「収獲時期」によって大きく異なるというのです。
その典型例がホウレンソウで、可食部100gのビタミンCの含有量は、夏採りで10mg以下になることもあれば、冬採りでは80mg以上になることもあるそうで、「五訂増補日本食品標準成分表」でも備考欄に「夏採りの場合20mg、冬採りの場合60mg」と記されているそうです。
皆さんも、ご存じだと思いますがホウレンソウの「旬」は冬です。「旬」というのは、「余計な手間をかけなくても植物が元気に育つ季節」です。経済的にいえば栽培のコストが低いうえに、出荷量が多く安価に消費者にできる季節ということになります。
さらに、栄養価が高いということになれば、良いことずくめということになります。
そのほかの作物でも、ビタミンCの含有量でいえば、ジャガイモでは新ジャガが出る春先から初夏、キャベツの場合は、冬に多いそうです。また、キャベツのカロテンは、春系キャベツの場合は春に高くなる傾向があるという研究結果もあるそうです。
また、栄養素に関しては地域差や個体差もあるということなので、色々と気になるところです。地域差ということでいえば、野菜などの作物は土によってつくられるということなのでその地域特有の土壌菌も含め様々な影響があるのはある意味理解できるような気がします。
食品ということなので、大切なことは「調理方法」です。調理というのは見方を変えると、有害物質が除去し、カサを減らして食べやすくする効果的な方法です。
この調理方法を工夫することで、栄養価の残存率を高めることもできるようなので工夫が必要です。
先ほどの、ホウレンソウでは、茹で時間によって水溶性であるビタミンCの残存率は大きく異なります。1分間で74%、3分で48%、5分で40%という結果が出ています。
また、切り方によっても調理した時の損失量が変わるそうで、色々な工夫が出来そうです。
見た目は同じでも、季節や調理方法によって自分の身体に与える影響が異なる・・・しかも美味しい!!
ということになれば、「旬」のチカラを見直してみるもの大切なことだと思います
Posted by toyohiko at 09:28│Comments(0)
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