2015年04月18日
「美味しい」と「身体に良い」を考える

「美味しい」ものを食べるということは、ある意味「幸せ」とも言えることがあると思います。
それゆえに、料理や食材をつくる人たちにとって「美味しい」の一言は、最高の喜びであり、「もっと良いものをつくろう」という意欲にもつながるものだと思います。
その一方で、「身体の事を考えて、バランスの良い食事を・・・」と言葉も良く聞かれますし、「健康のことを考えて、好き嫌いせずにしっかり食べなさい・・・」ということを、お子さんに言った覚えのある方も少なくないはずです。
こうして考えると、「美味しい」と「身体に良い」という二つの要素は、別のもののように感じてしまいますが、果たして本当にそうなのでしょうか・・・?
一般的に「美味しい」といわれる要素には「甘い」「柔らかい」「脂がのっている」などのキーワードがついてまわるような気がします。
ここで重要なのは、それらの要素を感じるのは、「脳」がそのように感じているということを理解しなければいけないということです。
例えば、身体に水分が少なくなれば喉が渇き、水が飲みたくなるし、運動してたくさん汗をかいた後は、塩辛いものや味の濃いものが欲しくなるというのも身体が要求し、「脳」が指令を出すことによっておきています。
そういう意味からすれば、身体に自然治癒力というものがあるということからも、自身の身体をより健康にするために必要な栄養素などを取り入れるために「脳」が指令を出すはずなので、「美味しい」と「身体に良い」は一致するということになるような気がしますが、現実はそうではないということを思っている方も多いと思います。
むしろ、ジャンクフードに代表されるスナック菓子や甘いものを食べたくなるという子どもたちや、味の濃いものをついつい欲してしまうというような経験を持つ人たちも多いのではと思います。
しかし、このようにあまり身体によさそうもないものを欲する場合も同様に、「脳」が指令を出しているというのが現実だということです。
なぜ、本来身体にあまり良くないものを「脳」要求してしまうかというと、ストレスなどを抱えて「脳」に負荷がかかっている場合には、過去に経験した「美味しい」という状況をつくりだすことによって、脳内のドーパミンなどの快楽物質を増やそうとしてしまうためだといわれています。
このような状態は、「脳」の報酬系を刺激するというような表現をするそうなのですが、極度に甘いものが欲しくなったり、油脂分の多い味の濃いものを求める傾向が強くなってしまうのです。
甘いというものも、ほんのりとした自然の甘みではなく、化学合成によって非常に甘みの強いものや、砂糖そのものに近いような精製度の高いものの方が脳への刺激が大きいために、ついつい求めてしまうということになるそうです。
つまり「身体に良くないもの」を極度に要求するような時は、「脳」の暴走状態と言えるのかもしれません。
また、唯一の栄養の吸収の器官である「腸」と「脳」との関係は、腸脳相関という言葉があるように密接な関係があると同時に、脳内のホルモン物質の多くは腸の周りにある、腸管神経というところで作られているとい言うことからしても、腸内フローラを含めて腸の状態を整えることや、ストレスを軽減することが大切ということのような気がします。
「美味しい」=「身体に良いもの」にしたいものですね・・・
Posted by toyohiko at 23:10│Comments(0)
│身体のしくみ