2015年06月13日
ワークライフバランスの境い目

最近、「ワークライフバランス」という言葉をあちこちで耳にするようになりました。言葉の通りの意味で考えれば、「仕事」と「生活」のバランスということになると思うのですが、「果たして、そのような切り分け方で良いのだろうか・・・?」という疑問を感じる事があります。
かつて、「世界一働き者の国民」と言われたかと思うと、サービス業においては、「先進諸国の中で、著しい生産性の低さ・・・」と揶揄されているところもあります。
その一方で、「おもてなし」という考え方が世界中から注目を集め、外国人観光客の増加に結びついているとも言われています。
これらの、社会的評価には色々な矛盾があるような気がします。
また、「仕事」=「職場」という考え方をした場合に、「休みが取りにくい」というキーワードをよく耳にすることがあります。
最近よく聞かれる「ブラックバイト」と言われるようなケースは、当初約束した勤務時間にたいして、過剰であったり、学業など本来充実させなくてはならない生活に支障が出ていることをいう場合が多いようですが、有給も含めて「休みを取る」に、は次の3つの要素が整っていることが大切だと思います。
まずは、「業務上のスケジュールがしっかりと明確である。」ということです。急な打ち合わせや頼まれごとが頻繁に会ったりすると、いつもその「急な・・・」に対する準備をする「癖」がつくことになります。その「癖」の結果「休まない」ということが一番楽であるという「錯覚」が自分の中で起きることになります。
2番目は、チームワークが良く仲間同士の連携がうまくいっているということです。多くの人場合、自分が休む時の障害になることが、「他の人に迷惑がかかる・・・」、「頼みにくい・・・」という精神的なものです。
このことは、「自分だけしか知らない」業務をワークシェアリング等の仕組みを取り入れながら、チームで進めていく等の工夫をすることで精神的なハードルを下げることが出来ると思います。
今までの2つは、組織で取り組むことで解決することが多いと思いますが、3番目は少し違います。
自分自身が「休み」をとる明確な動機があるか・・・
ということです。
子育て中の方などの子どもの病気の場合は、「看病」とう明確な動機と仲間に対して「理解されやすい」ことから、「休日」の取得につながりやすいことが多いと思いますが、自分自身が何かを「楽しむ」とか、「レジャー」ということになると、急激にハードルが高くなるという方は少なくないと思います。
こうして考えると、ワークライフバランスの中の「ライフ」とは何か・・・?ということをもう少し考えていかなくてはいけないのでは・・・という気がします。
「子どもの看病」は「ワーク」なのか「ライフ」なのか・・・?
専業主婦という立場の人にとっては、「ワーク」は存在しないのか・・・?
オンビジネスであろうと、日常生活であろうと「生きがい」とか「やりがい」という言葉は、大切なものです。そこには、「個」としての尊厳であったり、日常忘れがちなことが沢山あるような気がします。
皆さんも、自分にとっての「ライフ」について考えてみてはいかがでしょうか。
Posted by toyohiko at 12:48│Comments(0)
│社会を考える