2015年06月27日
天気と身体の関係

皆さんの周りに、「天気が悪くなると、頭痛が・・・」とか「膝や関節が・・・」というような症状を訴える人はいませんでしょうか・・・?
このように、気象の変化によって体調に影響が表れたり、病状が悪化するような症状を持ている方は、以外に多いような気がします。この症状は、「気象病」と言うそうで、さらにその症状の中でも慢性的に起こる痛みについては「天気痛」という呼び名で呼ばれています。
この「天気痛」については、過去の怪我や手術等の傷跡の痛みをはじめ、首や肩、関節になどの痛みを訴える方が多いといわれています。
周りの方々にも「そうそう・・・」とうなずきたくなるような症状を抱えている方も多いと思います。ひょっとすると、自分自身が・・・等という人も中にいるのではないのでしょうか。
そのような症状をお持ちの方の中には、「天候の変化が分かる・・・」などという方もいるのかもしれませんが、この「天気痛」というものに関してはあまり研究がなされていたかったということもあり、「こじつけ」や「思い込み」と言われてしまったことも多かったという経緯もあります。
しかしながら、最近は天候と身体の痛み等の関係性に対して色々な研究も出てきているそうです。
天候の変化というものには様々なものがあり、人によっても誘発される天候の種類や発症のタイミング等様々ですが、その中でも「気圧」の変動が大きな原因になっているのでは・・・という考え方が趨勢を占めてきているようです。
名古屋大学動物実験支援センター教授の佐藤純氏によりますと、ラットの実験で気圧の低下が交感神経を刺激し、頭痛などの慢性痛を悪化させるというメカニズムにたどりつくことが出来たとしています。
また、その気圧を感じるための気圧センサーが「内耳」であるということが解明されたことにより、天候の変化をあらかじめ予測し、「内耳」作用する、抗目まい薬や乗り物酔い止めなどをうまく処方することによって、目まいや痛みを軽減する効果も出てきているようです。
しかしながら、この「天気痛」の特徴として、人によって気圧変化のタイミングなどが異なることもあり、それに合わせた服用のタイミングを自分自身が良く理解することが前提条件になるということです。
しかし、いつ来るかわからない痛みにおびえているストレスにおびえているという生活を送っているよりも、自分自身の身体の特徴として捉えうまく付き合っていくという選択をするという考え方の方が、その人にとってのQOLは高く保つことが出来るのかもしれません。
ドイツやアメリカでは、気圧の変化から痛みの悪化を予想するような情報が国の機関より提供されています。また、日本の場合は国の機関での提供は今のところないそうですが、気圧の変化を予報する機能のついたスマートフォンのアプリがあるそうです。
以前、ある産婦人科医と話をしたときに「満月と出産は、ほとんど因果関係は感じられないが、台風と出産に関しては、非常にあるので、台風が来ると分娩数が多くなるので大変だ・・・」というようなことを、話題にしたことを思い出しました。
天候と身体、そして気圧と交感神経の関係による体調の変化・・・
そういった視点で、自分自身の身体をしっかり把握しておくことも大切なのかも知れませんね。
Posted by toyohiko at 14:21│Comments(0)
│身体のしくみ