2015年09月19日
「疲れ」のメカニズムを考える

人間の身体には、「3大生体アラーム機構」と呼ばれるものが備わっているといわれています。その3つが「痛み」「発熱」「疲労」といわれています。このうち、「痛み」と「発熱」については、神経メカニズムがかなり解明されていますが、「疲労」のメカニズムに関してはあまり解明されていないというのが現状のようです。
なぜ「疲労」が生体アラームといわれているかという理由は、「自分自身の身体能力の限界を超えるようなオーバーワークによって、身体の恒常性(ホメオスタシス)が崩れて病的な状態に陥ることを防ぐため」といわれています。
過剰な、心身行動を簡単に許してしまうと過労死につながりかねないので、生体活動の抑制する為のブレーキとして必要であるということのようです。
疲れにも、「肉体的疲労」や「精神的疲労」という表現がありますが、大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座徳任教授の梶本修身教授によりますと、「筋肉に乳酸がたまって疲労が起こる」ということについての科学的根拠は無いというのが、現在の研究では一般的だそうです。
このことは、運動時の筋肉の損傷を測る指標の変化などを見ても同じことが言えるそうで、もっとも「疲労」としての変化があらわれるのが、脳の視床下部や前帯状回といわれてる自律神経の中枢を担う領域なのだそうです。
この部分は、「心拍数を上げる」、「呼吸を早くする」、「体温の調節」、「汗をかく」などの体調管理や、精神面においてはストレスやリラックスの状態を調節するなど、交感神経と副交感神経を調節している脳の分野になります。
このことからも、「頭を使っても・・・」「身体を使っても・・・」疲れるのはどちらも脳のこの分野ということになります。
また、疲労と基礎代謝との関係ついては、1日に何万回ともいわれる呼吸の影響も少なくないと考えられています。
呼吸に必要なエネルギーは、1日に150kcal程度といわれていますが、呼吸が乱れ回数が増えることで「疲労」を感じることになります。
呼吸が乱れる場合としたは、運動をした場合は当然ですが、そのほかの原因として一番考えられるのが「いびき」です。「いびき」は、気道が狭くなり横隔膜に負担がかかることで呼吸時の運動負荷が非常に高いとされています。
また、「いびき」場合はエネルギー消費という問題だけでなく、睡眠中の疲労回復への影響や、自律神経の興奮など注意が必要です。
「夏バテ」という言葉を良く耳にする初秋・・・、疲労と自律神経との関わりなど、自分の疲労についても良く理解することで、解消の方法も含め「疲労」を蓄積しないようにしたいものですね・・・。
Posted by toyohiko at 14:57│Comments(0)
│身体のしくみ