2015年11月07日
アルツハイマーと糖尿病

「アルツハイマー病」も「糖尿病」も近年増加傾向にあり、かつ多くの方が気になる病気の代表選手のひとつです・・・この二つの病気の関わりが近年注目され始めているようです。
アルツハイマー病を「第三の糖尿病」であるというような研究が、注目され始めたのが2005年頃からだといわれています。
その頃から、質の悪い食事とアルツハイマー病との関係が注目され始めると同時に、そのメカニズムについて色々なことが分かり始めたからとも言われています。
人間は、食物から栄養を得ることによって、細胞が使うエネルギーに変換することで生命活動をしています。
その栄養源の多くはグルコース(ブドウ糖)によるものが多いので、脂肪やたんぱく質など多くの食べ物からグルコースをつくりだすことができるような仕組みを持っています。
生命維持に必要な、グルコースはインスリンというホルモンによって細胞内に取り込まれ、細胞の活動や代謝にとって非常に重要な働きを担っています。
特に、インスリンは、食べ物から入ってきた栄養素によってつくられた、グルコースを血流中から筋肉や脂肪、肝臓組織の細胞に送る役割をしています。
血流中のグルコースの量が恒常的に多くなってしまうことで、インスリンの代謝のメカニズムに支障が出てしまう状態が、Ⅱ型糖尿病につながってしまいます。
先ほども言いましたように、脂肪やたんぱく質を含め多くの栄養素をグルコースに変換することができるのですが、そのメカニズムと共に速度が違ってきます。
炭水化物をはじめとする、糖質はもともとグルコースに近いということもあり、早くグルコースになり、血流中に流れ出します。
製粉された穀物や、精製された糖類などは他の栄養素と比べると、非常に速い速度で血液中に流れ出してしまう・・・というわけです。
これが、血糖値が上がりやすい・・・と共に、「血流中の糖質の量が増える」ということになるわけです。
特に、脳は多くのグルコースを消費するために、糖質をもとめてしまうということになります。
最近の研究では、糖質が血流中にあると多くの問題を引き起こすということが分かってきました。
未だまだ、未解明のものものあるようですが、糖質によってはガラスの破片のように、多くのダメージを与え、失明、感染症、神経損傷など血管の炎症によって様々な症状が現れます。
これらの症状を研究していく中で、インスリン値の異常と、アルツハイマー病に認められる脳に見られる斑点と密接な関係があることが指摘されています。
このことは、糖尿病に見られるような、血流中の糖質のコントロールがうまくいかないケースが、アルツハイマーのリスクを引き上げる可能性があり、実は、糖尿病もアルツハイマーも発症のメカニズム的に同じなのでは・・・と考えられ始めていることから「Ⅲ型糖尿病」・・・というようにわれ始めているということなのです。
糖尿病とアルツハイマー病・・・この二つの疾患は、自身の健康のみでなく、周りの人たちのQOLにも大きく影響を与えてしまいます。
日頃の欲求を、少しコントロールしやすいための工夫も含めて必要かもしれませんね。
Posted by toyohiko at 16:40│Comments(0)
│身体のしくみ