2015年11月15日
インスリンと血糖値について考える

インスリンというホルモンが、血液中の糖質を細胞に取り入れるために重要な働きをしていることは、知っている人も多いのではと思います。
その「知っている人」の多くは、自身が血糖値が高かったり、糖尿病と診断された経験があるとか、本人でなくとも家族や知人にそのような方が多いのではと思います。
細胞が活動するためのエネルギーというものは、非常に大切なものなのでそのための仕組みというものが色々ありますが、大きな仕組みとしては血液中にエネルギー源のグルコースが一定以上になると細胞に取り込むようになっています。
そのシグナルになる指標が、血糖値になります。つまり、食事などをした後に血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌されて細胞に取り込まれることでエネルギーになるわけですが、ここで肝心なのは、血液中に急激にグルコースが入ってきて血糖値が急上昇したり、急上昇することはなくても次から次へとエネルギー源が入ってくると、膵臓が大忙しになってしまいます。
膵臓が大忙しになってしまう理由のもう一つの理由があるようで、エネルギーを取り込む側の細胞の問題のようです。
つまり、細胞の立場からするといつもインスリンが「エネルギーを取り込め・・・」といわれ続けているような状態なので、インスリンの言うことがだんだん気にならなくなるというような状態になってしまうそうなのです。言い換えますと感受性が低くなるというと事になるのです。
そのようなサイクルに入ってくると、細胞が血液中のエネルギーであるグルコースを取り込むことを怠ってくるということになってしまいます。
そうすると、言うことを聞かない細胞に対して、膵臓がさらに声を大にするようにインスリンの分泌量を増やそうとするのです。
それによって、さらに細胞がインスリンに対する反応が鈍くなるという悪循環ができあがってしまうそうです。結果的に細胞がインスリンの働きかけ(インスリンシグナル)に対して、抵抗をし始めるという意味合いから「インスリン抵抗性」という言葉が使われているそうです。
このような、状況がさらに進むと膵臓が最大限にインスリンの分泌を行うようになり、その時点で、細胞がインスリンシグナルに反応できなくなってしまい、血糖値が恒常的に上がり始めることでⅡ型糖尿病に進行していってしまいます。
その結果、血管中にグルコースなどの糖質が常にたまり続けることによって、血管中に炎症反応が出てしまうことによって合併症にまで言ってしまうことになります。
このような、自身の身体仕組みを理解することで、食事の内容や食べる順番を考えなおすことも大切なのかもしれませんね。