2015年12月04日
コレステロールについて考える

コレステロールの善悪については、最近色々なところで議論があるようです。多くの方々のイメージとしては、「身体に悪い」「心疾患などの循環器系の病気のリスクが上がる」などのマイナスのイメージを持っている方が多いと思います。
そこで、コレステロールという成分が栄養素として、身体の中でどのように利用されているかを考えてみたいと思います。
コレステロールに関する情報をまとめてみると、
脳の重さの20%がコレステロールであり、体内のコレステロールの25%は脳にあり、脳の機能を発達を支えている。
脳内のコレステロールは強力な抗酸化物質として働き、活性酸素などからのダメージから脳を守る
エストロゲンやアンドロゲンなどのステロイドホルモンやビタミンDなどの脂溶性の抗酸化物質をつくるもとである前駆体としての働きをしている。
細胞を覆う膜をつくるもとになっている。
さらに、最近の研究では体内のコレステロールは食事から摂取することで、蓄積されるのではなく、70~80%は肝臓で合成されたものであり、1日当たり2,000gもの量をつくりだしているといわれています。
これらのことを考えると、「コレステロールは悪者」のツジツマが少々合わないような気がする方もいるのではないかと思います。
少なくとも、「必要だから身体の中につくる機能がある・・・」と思うほうが良いような気もしてきます。「いや、どこか機能が壊れていて以上増産しているんだ・・・」ということなのかも知れません。
栄養素には、必須栄養素と呼ばれ食べ物から摂取するしか方法の無い栄養素があります。その栄養素そのものは、生き物の種類によって異なります。同じ霊長類出合っても人間と他の種類の類人猿などとは違うといわれています。
当然、種によっては腸内細菌の力を借りて栄養素をつくりだす種もいますが、本来の臓器でつくりだす機能がある栄養素についていえば、「無くてはならない重要なもの」と考えた方が、妥当性が高いような気がします。
コレステロールの身体への影響に関する議論は、これからまだまだ、色々な議論になりそうですが、食品メーカーなどの、営利組織がつくりだす健康イメージに振り回されることなく、もう少し、冷静に色々なことを知る必要がありそうですね。
Posted by toyohiko at 16:54│Comments(0)
│身体のしくみ