2015年12月19日
食事とコレステロール

コレステロールの高い食事というのは、とかく敬遠されがちです。だからこそ、「低コレステロール」というのは魅力的に感じる方も多いのかと思います。
人間の身体にとってのコレステロールの役割や重要性について見直されているなか、食事で摂取するコレステロールがどのように、身体に作用するのかを考えてみたいと思います。
以前にも、申し上げましたようにコレステロールは、摂取することのみで必要量を確保するのではなく、肝臓で合成されることによって、体内で必要な量を補っているいます。
その量は、1日当たり2,000gともいわれており、これは食事で摂る量の数倍といわれています。これは、コレステロールという成分が身体にとって必要不可欠であるということを示しているのだと思います。
ここで、疑問として思うのが、そもそも体内でつくるのであればコレステロールを摂取する必要が無いのではないか・・・ということです。
しかし、身体は体内でコレステロールをつくるよりも、食べ物から摂取する方を好むと考えられているようです。
その理由として、考えられているのは、体内でコレステロールをつくる場合には複雑で何段階にもおよぶ生物学的プロセスを経ることが必要なために、肝臓に負荷がかかるということです。
コレステロールの原材料は、肝臓に蓄えられたグルコース、つまり炭水化物を利用するために、炭水化物などの糖質を要求するようになります。食事から摂取するコレステロールが少なくなると、身体が飢餓状態を示す警告として、脳が過剰に糖質を要求するという状態に陥るということになります。
このメカニズムに、支障が現れると炭水化物の過剰摂取とともに、コレステロールの過剰生産という結果になるといわれています。
つまり、低コレステロールの食事を意識することで、体内のコレステロール値が過剰に上がってしまう可能性があるということなのです。
最近は、厚生労働省も食事から摂取するコレステロールの制限基準は設けない方向性を示しているようです。こうしてがんがえると、「低コレステロールで、コレステロールが増える・・・」という、謎かけのようなことが、自分自身の身体の中で起きているとしたら、自分自身の身体の仕組みに関心をつことで、生活習慣を見直すことができるかもしれませんね。