2016年04月23日
腸内フローラをプロデュースする

腸内フローラが人の健康に大きな関わりがあるということが、最近多くのところで取り上げられています。その中で、共通して言えることは、「腸内細菌は種類も数も多いほうがより健康に関して良い方向に寄与」するということのようです。
とはいえ、この分野の研究に関してはまだまだ未解明の部分が多く、以前は「100種類、100兆個」といわれていたものが、最近では「数100種類、数100兆個」というように、年々と大きな数字になっているという現状もありますので、今後この数字がもっと増えていく可能性もあります。
また、自閉症をはじめとする症状をもつかたの腸内フローラの特徴として、菌の数が少ないな傾向が見られるなど、腸内フローラを構成する腸内細菌の種類と数についての関係性についても多くの事が解り始めているようです。
この腸内フローラを生態系にたとえて考えてみますと、生態系については、「種の多様性、遺伝子の多様性、環境などの生態系の多様性」といわれる3つの多様性が重要で、それらの多様性が少ないと、生態系そのものが絶滅などの危機にさらされ易くなり脆弱になってしまうとされています。
こうして考えても、種類の多さと、菌の数の絶対数の多さというのは人間の健康の中では、非常に重要なことになると考えることもできます。
といういことは、「良い腸内フローラをつくるには、より多様な良い菌を、より多く、継続的に食生活に取り入れること」が大切ということになります。
その中で、「より多様な良い菌」ということになりますと、その地域の食文化には多くの発酵食品と呼ばれる、乳酸菌や酵母などの微生物を利用した食品がありますので、そこを意識することが大切です。
また、せっかく食べても多くの菌が胃液や胆汁などの人体のバリア機能で殺菌されてしまうので、腸内フローラに及ぼす影響は少ないものになってしまうために、「生きて腸まで届く・・・」ものの方がより良いということになります。
また、腸内にいる良い菌のエサとしての、難消化性の糖類や食物繊維も出来るだけ積極的に摂ることも大切です。
次に「より多く」になりますが、もともとの腸内フローラを構成する菌の数が数100兆個という膨大な数になりますので、少ない量では腸内フローラに与える影響が少ないということになります。
一般的に流通している飲料でも多いものは数100億個入ってものがありますが、それでも10000分の1程度にしかならないということになります。よく見かける飲料でも、菌数が数1千万しか入っていない商品もあるようですが、10億分の1位にしかならないということであれば、身体への健康効果はより少ないといっていいのかもしれません。
残念ながら微生物は非常に小さいので自分で数えることができません。商品によっては使用している菌の種類や主たる菌の菌の数をしっかりと明記してあるものもありますので、参考にするとよいと思います。
菌の数を明記し、さらに特定保健用食品に指定されているものなどは、賞味期限内にその菌数がしっかりと入っているかというような、検査を保健所で抜き打ちで行われているものもあるようなので、「菌数が明記されていて、特定保健用食品である・・・」ということを参考にすると良いかもしれません。
最後の、「継続的に・・・」ですが、3歳くらいまでに出来上がってしまった腸内フローラの基本的構成はその後中々変化しにくいといわれています。つまり、いくら健康に良い菌ということでも、腸内のもともとの良い菌を増やすことができても、外に出てしまうために増やし続けることができません。つまり、食習慣としてとり言えれることが必要になってくるのです。
腸内フローラのプロデュースしていくには、「日常的に食べやすく(飲みやすく)、より多くの菌の入った食品」を、食習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか・・・。
Posted by toyohiko at 12:10│Comments(0)
│食べ物を選ぶ