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2016年04月30日

腸内フローラのバランスを崩す要因を考えてみよう

腸内フローラのバランスを崩す要因を考えてみよう


 腸内フローラが、人の健康にとって大切であるということは、最近多くの場所で言われていることですが、今回は腸内フローラのバランスを崩してしまう原因をかんがえてみましょう

 腸内フローラのバランスが崩れてしまう要因というのは大きく分けて3つあるそうです。

まず第1は、「加齢」です。これは消化管の機能の低下や食生活の変化や、排便などに関わる筋肉量の低下引き起こる便秘など、様々な身体機能の低下が原因と考えられています。
 実際に、高齢者の腸内フローラでは善玉菌と呼ばれるビフィズス菌の減少と悪玉菌のウェルシュ菌の増加がみられるそうです。
 そして、何よりも重要なのは菌の種類が少なくなり、腸内フローラの多様性が低下してしまうことです。

 第2は、「抗生物質」です。抗生物質は言っていれば「菌を殺す薬」です。更に化学物質ということになりますので、中々代謝されにくいという性質もあり強く影響が出てしまう人も少なくありません。
 抗生物質を飲むと「下痢」をしたり、「便秘」になったりする人は抗生物質の服用によって、腸内フローラのバランスが崩れてしまったことによる症状と考える必要があると思います。
 もちろん、何らかの疾病の治癒のために必要だということで服用しているので、「必要」ということはありますが、悪い菌と一緒に良い菌も殺してしまっているということを忘れないでいることが大切です。
 実際にピロリ菌の除去のために抗菌薬を1週間服用した場合の腸内フローラを調べたところ8週間後でも元に戻らなかったという研究データもあるそうです。

 抗生剤などを服用と同時に良い乳酸菌を同時に飲料や薬で摂取するシンバイオティクス療法の研究も大学病院などで実施し、入院期間の短縮や術後感染症罹患率の低下などがみられるという報告もありますので、抗生剤の服用の際には、乳酸菌を一緒に摂ることも腸内フローラの乱れに対する予防になると思います。

 最後に、「ストレス」です。手術や大きな事故が原因で全身性の炎症が誘発されるSIRS(サーズ)という病気がありますが、救命医療患者などの重症患者に見られるのですが、SIRSの患者さんでは消化管に大きなストレスがかかり、結果的に腸内フローラのバランスが崩れてしうために死に至ることもある病気ですが、SIRSケースにおいてもシンバイオティクス療法によって、症状の緩和や合併症のリスクの低下という結果を得ています。

 SIRSのケースは、特別なケースと思われるかもしれませんが、「緊張すると下痢をする」や「旅行先では、どうも便秘気味に・・・」などというのも、ストレスによって腸内フローラが乱れたしまった症状の一つです。
 
これらのことから考えると、日常のいろいろな要因で腸内フローラのバランスというものは崩れてしまいますが、恒常的に良い菌を補充することで、リスクは防ぐことができるということも同時にわかります。

当然、日頃の食生活や運動も忘れないように・・・




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Posted by toyohiko at 16:13│Comments(0)身体のしくみ
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