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2016年05月21日

乳酸菌の名前について考える

乳酸菌の名前について考える

 腸内フローラという言葉が注目されてから、メディアでも色々な乳酸菌などの善玉菌を利用した発酵食品が注目されるようになりました。

 その中で、さまざまな名前があって少しわかりにくい・・・

 と思っている方も少なくないと思います。乳酸菌やビフィズス菌にはじまって、その下にごちゃごちゃとカタカナの聞いた事ないような名前が続き・・・しかも○○株という表現まで・・・

 しかも、そのような表記が細かくあるものからそうでないものまで・・・
 これでは、「自分にあった菌」に出会うためのハードルが相当あると感じてしまう方もいるのではと思います。

 乳酸菌とはいえ、「生物」のひとつになりますので、生物学的に一定のルールに従って名前が付けられているのはご存知でしょうか・・・?
このルールを知っておくと「自分にあった菌」に出会える確率もあがってくると同時に、製造側の乳酸菌に対する考え方もひょっとすると伺えるかもしれませんので紹介していきます。

細菌を始め全ての生物は、門、綱、目、科、属、種、株というように分類学的に分けられています。これを人間で当てはまると門は脊椎動物、綱は哺乳類、目は霊長、科はヒト、属はホモ、種はサピエンス、株は人種などを含めた個人ということになります。

以前紹介しました、乳酸桿菌などのファーミキューティスという名称は、類学上門当たります。
更に、色々なところで良く耳にする、ラクトバチルス・カゼイとか通称ビフィズス菌といわれるビフィドバクテリウム・ブレーベなどは属と種という分類になり、人間でいいますとホモ・サピエンスに当たります。

この名称のつけ方にも一定の決まりがあるそうで、ラクトバチルス・カゼイという名称でいえば、ラクトは乳を意味し、バチルスは小さな棒状の菌、さらにカゼイは、チーズで発見された・・・ということになるわけです。
つまり、「ラクトバチルス・カゼイ」は、チーズから発見された小さな桿菌(棒状の菌)ということになります。

最近パッケージなどのよくあるアルファベットの文字で表現されている菌の種別のほとんどはここからさらに分類された「株」というレベルなので発見者が名前を付けることが多いようです。
実は、この株と呼ばれるものが人間で言うと個人になるのですがそれぞれ意外に特徴があり、身体にとって及ぼす健康効果も含め影響が随分違うということになります。

近年、「植物性乳酸菌」とか「植物由来の乳酸菌」という言い方をしているものもありますが、生物の分類学上、動植物と腸内細菌などの真正細菌とは明確に分かれているために、単に、動物性という言葉よりも植物性という言葉の方が健康イメージが高いというセールスコピーであると理解した方がよさそうです。

  実際に、「植物性乳酸菌 ラクトバチルスカゼイ菌が入った・・・」などの記載のある広告を目にすることもありますが、このような広告を目にすると、先ほどの説明との矛盾も含め、乳酸菌に関する知見が浅く消費者に対する正直さに疑問を持ってしまうこともあります。

いずれにしても、自分自身の健康にとって「自分にあった菌と出合う」ということは大切なことのひとつになりますので、自分が普段に利用している商品などにどのような菌が入っているかを気にしてみるのもいいかもしれませんね。




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Posted by toyohiko at 12:16│Comments(0)食べ物を選ぶ
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