2016年07月16日
腸内環境と肌荒れについて考える

昔から、「便秘と肌荒れ」の関係については多くの方が、「なんとなく」ということも含めて実感のあるかたも少なくないと思います。
このことは、「便秘」という状態に理由があることも大まかにはわかっていますが、詳しいメカニズムはこれからということも色々とあるようです。
ここで改めて、「便秘」という状態を考えてみましょう。
便秘は、排便間隔が平常より大きくなってしまい、結果的に便の水分量が少なくなった状態のことを指します。
消化吸収のメカニズムからこのことを考えますと、小腸で主な栄養分が吸収された「食べ物の残りカス」から水分を吸収し、ちょうど良い便をつくるところは大腸です。
この大腸で、どのようなことが起こっているかということをイメージすればわかると思いますが、「食べ物の残りカスを40℃弱(人間の体温)のところに放置」するとどうなるか・・・?ということと同じということになります。
答えは簡単です。
そこにある「食べ物の残りカス」が腐る・・・つまり腸内腐敗起こるということです。
一般的に、「腐る」ということは、人体にとって悪い影響を及ぼす物質を出す(産生)微生物が活発に活動して、その物質をバラ捲いている状態をさします。
「腐った臭い」の正体は、その微生物が出した物質の臭いそのものです。
その臭いの成分が、大腸の中に留まり続けて吸収した水分と一緒に身体中を駆け巡っている状態が、別の角度から見た「便秘」ということになります。
最近の研究で、「肌荒れ」という症状に大きく関与している成分の一つに「フェノール」という物質が大きく関わっていることが分かってきています。
このフェノールという物質がどこから来るかと言いますと、タンパク質が分解して出来るアミノ酸をエサとするようなフェノール類産生菌と呼ばれる、通称:悪玉菌に分類されるようなグループの腸内細菌です。
さらに、腸内のフェノール類が少量の場合であれば、便とともに排泄されるようなサイクルで大きな影響が無いのですが、腸内にフェノール類が過剰になった状態では、腸から吸収されてしまい血流にのって皮膚に到達して蓄積することが分かってきています。
しかも、皮膚は脂質を多く含む組織ということもあり他の臓器と比べてフェノール類を蓄積しやすいこととともに、皮膚細胞の正常な分化を妨害して「肌荒れ」を引き起こすことが分かってきました。
また、このフェノール類の血中濃度と皮膚の角層表面水分含量との関係もおいても逆相関の関係が分かってきました。
これらのことは、腸内環境と言われるような腸内フローラの状態が「お肌のコンディション・・・」という形で表れるということが、科学的に解明されつつあるということになります。
「便秘のせいで、化粧ののりが・・・」とお悩みの方がいましたら、日頃の食生活を見直すところから解決をする方が、近道かもしれません。 まさに「健腸美肌」ですね・・・
Posted by toyohiko at 12:55│Comments(0)
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