身体のチカラ › 身体のしくみ › 脳腸“皮膚”相関という考え方

2016年07月23日

脳腸“皮膚”相関という考え方

脳腸“皮膚”相関という考え方


 腸内環境と肌荒れなどの関係については前回述べさせていただきましたが、これは便秘などの腸内腐敗によるフェノールの増加などが主な原因と考えられてきました。

 しかし、「肌のコンディション」と言われる様々な状態は、どうも腸内腐敗による悪性の物質だけが原因ということでは理解できないところがあることも事実です。

 例えば、「ストレスが溜まって、肌が荒れる・・・」とかその反対で、「夢中になって打ちこめることがあれば肌もつやつやしてくる・・・」などという経験のある方もいるかと思います。

 また、老人福祉施設などでも認知症やうつ症状のある人にたいして、専門家の方が化粧をすることによって認知症などの症状が改善したり、オムツが取れるようになったという事例も報告されています。

 このような事例を考えると、皮膚という器官は、単純に腸と脳ということだけではなく脳腸相関とも大きく関わりがあるのでは・・・とヤクルト中央研究所の飯塚量子主任研究員は述べています。

 その理由の一つとして、考えられる大きなポイントは「免疫」です。

 もともと、皮膚も腸も、外界との境界に位置するところにあります。その外界からの親友する外敵から守る役割をするのが免疫です。
 そういった意味でも、機能的にも構造的にも腸管と皮膚は似通ったところが多くあるのだそうですが、その共通点の一つが免疫システムということです。

 腸には、多くの免疫システムが備わっていて身体全体の60%とか70%近くが集まっているということは最近色々なところで紹介されていますのでご存知の方も多いと思います。
 その中には独自の免疫機構があることが分かっていますが、皮膚も腸管免疫システムと同じように独自の免疫システムを持っていると言われています。

 さらに、皮膚にも少なからず神経細胞が存在していて、皮膚の細胞と神経細胞が直接接触するような形で、情報を交換し合っているということもわかっています。

 私たちにとって皮膚は、身体の最も外側を守ってくれる大切な器官であると同時に、「外から見えやすい」という意味も含めて社会生活においても大きな役割をになっています。

 だからこそ、皮膚は皮膚・・・という単純なことだけではなく脳や腸とも関わりあうことで心身ともに健康になるためのカギを握っているような気がします。




同じカテゴリー(身体のしくみ)の記事画像
腸内細菌叢とメンタルヘルス「パーキンソン病に関する研究事例」
プロバイオティクスは、お腹の中でどうなっているのか
マイクロプラスチックとリーキーガット
男性更年期障害と腸内細菌
「我が家の味」と腸内フローラ
腸内細菌によるストレス緩和・睡眠効果のメカニズムについて考えるⅡ
同じカテゴリー(身体のしくみ)の記事
 腸内細菌叢とメンタルヘルス「パーキンソン病に関する研究事例」 (2025-03-07 16:52)
 プロバイオティクスは、お腹の中でどうなっているのか (2025-02-28 10:21)
 マイクロプラスチックとリーキーガット (2025-02-14 09:19)
 男性更年期障害と腸内細菌 (2025-02-06 14:52)
 「我が家の味」と腸内フローラ (2025-01-24 13:55)
 腸内細菌によるストレス緩和・睡眠効果のメカニズムについて考えるⅡ (2024-12-20 16:46)

Posted by toyohiko at 15:08│Comments(0)身体のしくみ
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。