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2016年07月30日

正解のない選択肢という苦悩

正解のない選択肢という苦悩

 「正解がない・・・」という表現を色々なところで耳にすることがあります。特に人生を左右するような大きな決断について、このフレーズを思い浮かべることも多いのではと思うことが良くあります。

 しかしながら、「正解のない」ことに対して「自身の決意」をもって向かっていくということも大変勇気のいることであることもまた事実です。

 そのようななか、これからの社会に求められる要素の一つとして「多様性(ダイバーシティ)」があります。この多様性という言葉が本来持っている意味として、「立場や特性の異なる人たちがお互いに調和する」ということがあると言われています。

 この「調和」ということを実現するためには、それぞれの個性や特性に合わせた選択肢が必要になってきますし、その選択肢を受容する風土はもっと大切になってきます。

 現代は高齢化社会など様々な、要因によって世代の階層化が進んできて来ていると同時に、核家族化なども含めて世代間交流がなされにくい状況が進み、価値観の共有というものがなされにくいという現状があるような気がします。

 社会が多様性を求める中、選択肢を提示することが各セクターに求められるわけなのですが、この状況を「もともと、選択肢など無かった・・・」と思っている世代の方たちがどのような感情で「選択肢がある」という環境を受け入れるのか・・・ということが、先ほど言った風土そのものなのだと思います。

 「選択肢がある」ということは、もちろん良いことであると思います。しかしながら、選択肢はあればある程、「選択する」という行為に対して、一定の知識と決断を必要とするということなのです。

 しかも、「正解のない人生の決断」であればなおさらということになります。

 高度経済成長時代では、多くの人たちがその決断によって「経済的に豊かになる」というイメージを描き、そのような価値観を基準に選択肢を選ぶことに対して、本人も周りもあまり違和感を感じずに来られたのだと思います。

 しかしながら、現代のような成熟した社会・・・、しかも日本国内においては人口減少という大きな課題を抱えている状況においいては、将来に向けての方向性すら、一から自分で決めなければならないという時代になってしまったと言わざるを得ないような気がします。

 しかも、具体的なロールモデルすらよくわからないという漠然とした不安・・・

 「選択肢すらなかった」人たちの苦悩・・・
 「選択肢がある」からこその苦悩・・・

 子育て、不登校や引きこもり、いじめや子どもたちの貧困・・・社会全体で解決していかなくてはならない課題は沢山あります。このような課題を解決するにはひょっとすると今まで無かったような、さらに多くの「選択肢」を用意する必要があるのかもしれません。

 そのためにもお互いの立場で、もう少し共感することができれば、次世代を担う世代の人たちの「夢」につながるのでは、と思います。

 いつの時代も繰り返される、「近頃の若い者は・・・」という羨望に満ちたフレーズ・・・「選択肢すらなかった世代」こそ、一人ひとりの勇気ある決断を支えていっていただければ、社会がもっと明るい方向に進み始めるのでは・・・という感じがしてなりません。



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Posted by toyohiko at 12:52│Comments(0)社会を考える
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