2016年09月17日
便秘とおならと腸内腐敗

「便秘」にお悩みのかたは沢山いると思いますが、便秘と大きなかかわりがある大腸の働きについて考えていきたいと思います。
大腸の働きは多くの方が御存じのように、食べ物のカスや腸管のはがれた組織さらに腸内細菌などから水分を吸収して、便をつくる働きをしています。
つまり、水分を吸収しながら便のもととなる排出するすべきものを肛門の方に送り出す働きが必要で、この運動を蠕動(ぜんどう)運動と呼んでいます。
ここで、多くのかたが勘違いしていそうな大腸本来の働きについて触れていきたいと思います。
まずは、蠕動運動は自律神経の働きに大きく影響を受けるということです。蠕動運動は副交感神経が優勢な時に活発になるために、起きているときよりも睡眠時の方が活発になっているということです。
その蠕動運動の働きを自身で実感できるのが、「おなら」ということです。
自分自身が、睡眠をとっているときはあまり分からないので実感がない方がほとんどだと思いますが、おならの量は起きておるときよりも、睡眠時の方が多いのが正常なのです。
小さなお子さんのおられる方などは、子どもが寝ているときに「良くおならをしている・・・」というような経験がある方も少なくないとおもいますので、「よく考えるとそうか・・・」と感じる方もおられる方もいるかも知れません。
「おならが出る」、というのは腸内のガスが腸にとって良くない影響があるからだと考える必要があります。
実際に、腸内に溜まっているメタンや水素などのガスが大腸の蠕動運動を妨げる働きがあることが分かってきています。
腸内のガスが発生する原因として考えられるのが、食事中に一緒に口から入ってしまう空気、そして腸内細菌が発生させるものです。腸内細菌が発生させるガスとして良く知られているものとしては、先ほども言いましたように、水素とメタンガスがあります。この中でも、メタンガスが腸内の悪玉菌による腸内腐敗が原因になりますので、腸内のガスが大腸の蠕動運動を妨げ、その影響で腸内腐敗が起こりさらに腸内にガスが溜まってしまうという悪循環に陥ってしまうということになります。
その証拠に、ひどい便秘になっている方は、「一日中おならが一回も出ない」という方も多いようです。
腸内にガスがたまった状態で、食事をとり続けるとさらに腸内に負担がかかってしまい症状がひどくなることも考えられます。
この時に、考えなくてはいけないことは腸内のガスの量を減らすことです。
減らすためには、ガスを「出す」ことと「発生させない」ことの二つの方法があります。「出す」ことは、単純におならが出るようにするということになります。女性に多いようですが、「パートナーの前でおならは・・・」ということで、体調を崩してしまう方もいるようなので工夫が必要なのですが、最近メディアなどで、うつぶせに寝転がる姿勢を、継続的に行うことでガスの出が良くなり改善するケースもあるようです。
これは、うつぶせで寝転がることで肛門を上向きにし、気体を少しでも人間の消化管の出口である肛門の方に近づける効果があるそうで、さらに多少回転するように身体の向きを転換すると腸の中ガスが動きやすくなる効果も併せて大腸内のガスの減少に効果があるそうです。
もう一つは、腸内腐敗を防ぐことが大切でこのためには腸内フローラでの悪玉菌の割合を減らす必要があります。一般的には、悪玉菌は酸に弱い習性がありますので、乳酸菌などの善玉菌を優勢にしておくことで腸内腐敗によるガスの発生を防ぐことができると考えられます。さらに一部の善玉菌には、腸内の蠕動運動を高める働きがありますのでこのこともこれも、便秘の改善には有効だと考えられます。
ただし、ガスが充満して腸の蠕動運動が著しく悪くなってしまったようなときには、まずガスを体外に出すことを優先したほうが、良いようです。
夜に、蠕動運動が活発になりガスもたくさん出るのには腸の中を掃除をするように、便を肛門の方に送り出しておく作用があるそうです。
そのような、身体の仕組みを良く知っておくと「寝る前には、食事をしない・・・」とか、「朝一番に、排便の習慣をつける・・・」、「おならは、腸の蠕動運動のバロメーター・・・」などの健康を保つために気をつけることが見えてきます。
便秘でお悩みの方、「自分のおなら・・・」少し、気にしてみませんか・・・?
Posted by toyohiko at 20:48│Comments(0)
│身体のしくみ