2016年10月01日
乳酸菌飲料とアレルギー

先日、「乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取が 通年性アレルギー性鼻炎症状を改善」というニュースが出ていましたが、多くの方が、「乳酸菌発酵果汁飲料って何・・・?」という疑問を持った方も多いと思います。
腸内フローラという言葉とともに注目され始めた乳酸菌ですが、その乳酸菌を摂取するための食品ということになりますと、ヨーグルトをはじめとして、生乳や脱脂粉乳などの乳製品に含まれる乳糖(ガラクトース)乳酸菌の餌として発酵させたものが主流になっているのが現状です。
乳製品に含まれる乳糖をもとに乳酸菌を食品にした場合に、食べる側にとって都合が悪い場合があります。それは、乳製品に対してアレルギー持っている方です。
乳アレルギーの方にとってはアナフィラキシーショックなと重篤な症状につながる場合もありますので、当然のことながら注意が必要です。
もうひとつは、乳酸菌が代謝産生する乳酸や酢酸などの酸類が、味覚的に苦手な方も多いために、他の糖類などを加えることで食べやすくする必要があるということです。
実際に流通している商品なども、加糖タイプの流通量の方が圧倒的に多いことや、大容量の無糖タイプについても、果物やジャムなど甘みなどを加えるながら、食生活に取り入れて要る場合が多いということも皆さんの味覚的な嗜好の表れと言えるかも知れません。
味覚の問題はともかくとしても、乳アレルギーなどの場合は健康状態に直接かかわることになりますので、なかなか難しいところがあります。
とはいえ、流通している食品の中で、乳酸菌を利用している食品は意外と多いので、「乳製品から摂る必要はないのでは・・・」というようにお考えの方もいるかと思います。
もちろん、それで良いかと思いますが、残念ながら現状では、乳酸菌の健康効果についてエビデンスと呼べるような研究結果の裏付けが十分にそろっているか・・・ということを考えた場合に、まだまだ少数の種類の乳酸菌であると言わざるを得ません。
乳酸菌と一言でくくっても、菌株単位で考えれば2~3万種あるといわれています。
虫歯菌で良く知られていますミュータンス菌も分類からすれば乳酸球菌に分類されますので、立派な乳酸菌の仲間なので、乳酸菌については、菌株単位の種類で自身の身体にあった菌を探す必要があるのです。
そんな中、乳アレルギーの方々に朗報があるのですが、温州ミカンの果汁のなかに含まれる糖類を利用して乳酸を代謝し増殖可能な菌株を利用した飲料の製品化の可能性が出てきたということです。
しかも、現状の乳類などから分離された菌株などと同じような健康効果に関するエビデンスまで解明されているということであれば、大歓迎ということなのかもしれません。
ご存知の方もおられるかと思いますが、糖類というのは非常に種類も多く、味覚や身体に吸収される速度など様々な特性があります。果汁分に多く含まれる果糖(フラクトース)は、ブドウ糖などに比べる吸収が遅く、砂糖などと比べると、血糖値の上昇をゆるやかにする特性があります。
この果糖とマッチングの可能なラクトバチルス プランタルムYIT0132株という乳酸菌の可能性・・・乳アレルギーのかたも含め、現在流通しているラクトバチルス カゼイ シロタYIT9029株の様に、これからより多くの健康効果に関するエビデンスが構築されるようにあれば、「手軽に毎日、乳酸菌を摂る・・・」ことの選択肢が広がってくるかもしれません。
Posted by toyohiko at 16:07│Comments(0)
│食べ物を選ぶ