2016年11月19日
冬場の感染症と腸内フローラ

寒くなり・・・インフルエンザなどの上気道感染症やノロウィルスなどによる感染性胃腸炎が心配な季節になってきました。
冬場に、このような感染症が広まってしまう原因として二つのことが考えられます。一つは、日本特有の気候によるもので、夏場の高温多湿ということに対して、冬場には湿度が低いことにあります。それに対してヨーロッパなどは冬場にはむしろ夏場より高いということがあるためにこのことがウィルス性の上気道感染症に大きな影響が及ぼすと考えられています。
このことは、多くの研究において湿度60%を下回るとインフルエンザなどの罹患率が多くなることが知られています。
二つ目は、人体の免疫力は体温に大きく左右することもわかっており体温が低いと免疫活性が低い状態になるため、このことが外気温と大きく関係しているとも考えられています。
これらのことからしても、日本の場合には冬場の感染症というのは発症しやすい状況にあると言わざるを得ないということになります。
これらの感染症については、子どもや高齢者の場合には基礎体力なども含めて一般成人と比べるとさらにリスクが高いということになりますが、高齢者施設入所者を対象とした乳酸菌の入った食品の継続摂取による感染症リスクに関する研究がありますので、ここで紹介させていただきます。
この研究は、入所者72名(男性19名女性53名)とスタッフ20名(男性5名、女性15名)の計92名に対して、L.カゼイ・シロタ株が1本当たり400億以上入った飲料と、入っていない飲料(プラセボ)の2つのグループに分けて、1日1本、6か月の継続飲用してもらうという方法で行われました。
そして、そのグループでの37℃以上の発熱日数、便秘回数、下痢日数を比較してみたところ、これらの3つの項目すべてにおいてL.カゼイ・シロタ株を継続摂取したグループの方が優位に改善の傾向が見られたと同時に、糞便中にも摂取した菌株が検出されると同時に、悪玉菌と呼ばれる菌群の低下や有機酸などの成分が多く含まれており腸内環境の改善ともに腸内腐敗が抑えられているということも明らかになりました。
これらのことからも、冬場の感染症予防に自分にあった乳酸菌を継続摂取することで少しでも、リスクを抑えられるということであれば、「うがい・手洗い」だけでなく「うがい・手洗い・乳酸菌」という予防方法も取り入れてはいかがでしょうか・・・
できれば、簡単に多くの乳酸菌が摂取できる方法も工夫してみるとさらに良いかも知れませんね・・・
Posted by toyohiko at 09:31│Comments(0)
│身体のしくみ