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2017年03月04日

体質と腸内フローラ

体質と腸内フローラ


 私たちは、身体の特徴的な傾向を「体質」という言葉で表現することがあります。この「体質」という表現には「変わらない、しょうがないもの・・・」というニュアンスが含まれていることがあるのではないでしょうか。

 例えば、「太りやすい・・・」「太りにくい・・・」から始まって、「便秘体質・・・」など、「その前提で付き合っていくもの・・・」という考え方になってしまっている方も少なくないような気がします。

 アレルギー体質という言葉もありますが、これは免疫の異常(過剰)反応の場合が多いので、「体質」なのか「疾病」なのか・・・という思いもありますが、「疾病」として治療が必要な場合もあります。

 しかし、近年「やせ菌」とか「デブ菌」という言葉が聞かれるようになり、「どうやら、体質と呼ばれるものの原因は不変で不可解なもの・・・」ではなく、「何らかの原因があり、ひょっとすると変えられるもの・・・」に変化しつつあるというのです。

 そこで、注目され始めたのが、「腸内フローラ」ということなのです。

 近年、腸内フローラという言葉はかなり多くの方が耳にするようになったので比較的多くの方に理解されて始めましたが、簡単に言いますと腸の中に棲みついてる微生物のことで、一般的には数100種類、数100兆個棲みついていると言われており、重さにして約1kgともいわれています。

 その数100種類の構成は、人によって異なり割合などのバランスも含め、無数のパターンがあり、指紋のように人物特定にも利用できると言われるほど多彩なものになっているのです。

 その中にも、色々な特性をもった菌株が存在していることが、明らかになりつつあります。例えば乳酸菌やビフィズス菌のように乳酸や酢酸を産生するために、タンパク質を分解して、有害物質を出すような菌の活動を抑える性質のものもあれば、具体的にビタミン類を出したりする種類のものもいます。

 このような性質は、菌株という単位ごとに特徴が異なり、単一でそのような特性を示す菌もいれば、コロニーと呼ばれる、数種類の菌の特定の組み合わせになる事によってその特性を示すようなものもあり、非常に複雑かつ未知の部分が多いことも事実のようです。

 最近、注目されている「やせ菌」とか「デブ菌」というようなくくりで紹介される菌は、食べたものを食物を分解して、栄養やエネルギー変換する働きを持っている菌株や、脂質の合成を抑制する働きを特性とする菌株があるということが次第に分かってきたということなのです。

 このような、菌がいるから「やせる」とか「太る」ということだけではなく、「便秘気味」とか「下痢気味」というようなことも、体重の変化に密接に関係するケースも少なくありませんので、実際にはそんなに単純なものではなく、もう少し「複雑なものである・・・」というのが実情なのだと思います。

 そのような中、あらゆる健康阻害要因や健康に悩んでいる人には、共通の特徴があるということが徐々に解りつつあるようで、その特徴が、腸内フローラを構成する腸内細菌の種類が少ないということなのだそうです。

 その原因については、良く分かってはいないようですが、「体質」と「お腹の中の菌の種類の数」がどうやらかなりの確率で、密接に関係していると言われ始めているそうです。そのためには、いろいろな種類の食品を接っ種することはもちろんのこと、「良い菌を増やす」工夫も大切です。

 社会の多様性が叫ばれる中、お腹の中の多様性も高まることで「体質改善」が進むのかも知ません・・・。



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Posted by toyohiko at 12:50│Comments(0)身体のしくみ
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