2017年03月10日
宇宙空間と腸内フローラ

今年からトヨタが18年ぶりにWRCに参戦し、しかも、第2戦で優勝という快挙を成し遂げました。参戦を表明した記者会見の席で、豊田章男社長がマイクロソフト社との提携によって今後の自動運転時代に向けたデータ収集を行うということも多くの方々が興味を持ったところだと思います。
自動車メーカーにとって、レースという過酷かつ多くの予算が必要な市場に参入するには多くの理由があると言われています。
当然、レースに出場したり、さらには優勝することによるマーケットに対するイメージづくりというものがあります。
しかし、それだけであれば広告出稿投資など、他の手法も沢山あるはずです。多くのメーカーが目的とするのが、技術や安全性の向上に於いてレースという過酷な状況で様々なテストを行うからこそ、私たちが日常利用するクルマというものを、いかに「快適かつ安全に利用することが出来るか・・・」ということと直結していると考えているからです。また、実際にそのような技術の応用によって現在のクルマ社会の根底を支えている部分があるからだと思います。
先日、乳酸菌飲料のメーカーが独立行政法人宇宙航空研究開発機構JAXAと乳酸菌の菌株の一つである乳酸菌シロタ株の継続摂取実験を開始するという報道がなされました。
これも、ある意味自動車メーカーがレースに参戦することでノウハウを蓄積することと良く似ていると思います。
乳酸菌の継続摂取の意義の一つに「予防」ということがあります。しかしながら、「改善」とか「治癒」ではないために、「予防の効果」というものは、健康な人が健康に対して関心が薄いことと同様に、可視化されにくいという難点があります。
一方で、宇宙空間は重力だけでなく身体に対する様々な環境の違いから、非常にストレスがかかる空間であることが言えると思います。
パイロットにとって、この状況を少しでも快適に且つ健康に過ごすことは多きなミッションを抱えている人たちにとって非常に大切なことです。
これは、トップアスリートが風邪などの軽微な疾病によって、試合当日に本来のパフォーマンスが発揮できなくなることに対して様々な対応策をしていることと良く似ているのかもしれません。
つまり、過酷な状況にさらされているからこそ、身体の変化に敏感になるし、身体そのものも敏感に反応するということがあるのかもしれないということです。
先ほどの、トヨタとマイクロソフトの話もそうですが、極限に近い状態でのクルマそのものの挙動など、通常の状態では発生しえない状況をあらかじめ把握することは安全に関する技術の向上に大きな効果をもたらすということなのだと思います。
これと同様に、あらゆるストレスと腸内フローラは密接に関わっていることは明らかになりつつありますが、これも「ニワトリと卵の関係」で「一方が片方に、一方的に働きかけるのか・・・」「常に、相互作用のような関係なのか・・・」まだまだ未知の部分も沢山あることも事実です。
腸内フローラと身体全体への関係性については、今まで顕在化していなかったより多くの事象と関係性が、「宇宙空間という過酷な状況だからこそ明らかになる」ことで、私たちの健康に大きな安心と進化をもたらしてくれるような気がします。
「過酷な状況だからこそ、知りうることがある・・・」、乳酸菌と健康に新たな1ページが刻まれる可能性に期待したいものです。
Posted by toyohiko at 12:35│Comments(0)
│身体のしくみ