2017年08月02日
「おなら」の中身は何でできていますか?

「おなら」の事というと、「ちょっと恥ずかしい・・・」というような印象を受けたり、小さい子どもたちは、その言葉を聞いただけで大騒ぎ・・・という感じになりのですが、「おならの中身は何でできていますか・・・?」という問いには意外に答えられない人が多いのではないかと思います。
「おなら」いうのは、肛門から出てくるガス・・・云いかえると気体を指します。当然、腸にある気体が充満してしまうために出てくるものなので、腸のコンディションを表してる場合が多いと考えるのが良いかと思います。
健康な人の「おなら」の量は、1日400ml~1500mlと言われています。
その気体の内訳は、口から食べ物と一緒に飲み込んだ空気(窒素)と腸内細菌が作ったガスになります。
つまり、口以外に外部から気体が入り込むことは無いのですから、当然と言えば当然なのですが、「口から入ったものが肛門から出ていく・・・」という構造になってくるのです。
この、「食べ物と一緒に飲み込んだ空気」というのは、その人による癖の様なものによって気体を飲み込みやすい人とそうでない人があるようで、そもそもその気体の量は違うそうです。
むしろ問題は、腸内細菌が作ったガスになりますが、大きく分けますと善玉菌と呼ばれる乳酸菌などの仲間が出すガスと悪玉菌と呼ばれるウェルシュ菌などの仲間が出すガスとでは大きく性質が異なるということです。
善玉菌と呼ばれる腸内細菌の仲間は、糖質や食物繊維を摂取して酸を出すというのは多くの方が知っていると思いますが、水素や二酸化炭素さらにはメタンなどをつくりだす性質があるのです。
これらの気体は、基本的に無味無臭であるのが特徴です。
一方、悪玉菌と呼ばれる腸内細菌のグループは、タンパク質などを分解し、アンモニアや硫化水素系のガスを出す性質があります。
ここで、お分かりかと思いますが、アンモニアも硫化水素も決して良い臭いがするものではりませんので、一般的にいう「臭いおなら」というのは、口から入った空気でもなく、この悪玉菌の出すアンモニアや硫化水素が原因ということになります。
ですから、「おならの臭い」で腸内フローラの状態がある程度分かる・・・ということになるのです。
腸内腐敗と呼ばれる現象は、悪玉菌が優勢であったり、便秘のように排便間隔が長くなってしまうことで、腸内環境が悪化することで起こります。その腸内の腐敗臭が「臭いおなら」となるわけです。
便秘の状態がひどくなると、排便そのものがうまくいかず肛門あたりを便が塞いでしまい、おならそのものすら出来にくい状況になることもあります。
この場合は、ガスが腸内に溜まってしまい膨満感による腹痛などを引き起こすこともあるので、そのようなときは、腸の環境を整えるよりも「まず、おならを出して腸の負担を減らす」ことが先決だと言われています。
たかが、「おなら」かもしれませんが、お腹の中の貴重な情報源だと考えれば、あまり恥ずかしがらずに、臭いも含め意識してみたらいかがでしょうか。
Posted by toyohiko at 15:36│Comments(0)
│身体のしくみ